
趣味とお金のバランスはなぜ難しい?相談者が抱える共通の悩み
こんにちは、ダンナです。
最近、お金の相談を受ける中で「趣味にかけるお金」についてどうアドバイスするかを深く考えるようになりました。趣味は人生の幸福度を高める大切な要素ですが、時に家計を圧迫し、悩みの種になりがちです。
この記事では、「趣味とは何か」という原点から掘り下げ、日本の平均的な趣味の支出額を参考にしつつ、あなたの趣味への支出が「健全かどうか」を判断する3つの基準、そして依存せずに楽しむための具体的な方法を解説します。
趣味もお金も、どちらも諦めたくないあなたの一助となれば幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。
趣味とは何か?お金のバランスを考えるための自己理解
物事を語るには、まず原点に立ち返る必要があります。「趣味」という言葉が持つ意味を再確認し、あなた自身にとっての趣味を明確にすることが、お金のバランスを考える第一歩です。
趣味が持つ3つの意味
- 自由時間に好んで習慣的に行う行為: 継続性と能動性がある活動。
- 自分の好みの傾向、詳しい事柄: 知的好奇心や探求心を満たす分野。
- 趣きや味わいの感じる事象: 感性を刺激し、心の豊かさにつながるもの。
僕の場合、自覚している趣味は読書とMTGと料理です。詳しい内容で言えば好んで学ぶ専門分野、音楽、言われてみれば趣味かも?というのは旅行(特に新潟旅行)です。
広義の意味では「楽しければ、それは趣味」と言えるでしょう。あなたにとり、趣味とはなにかを理解することが趣味とお金のバランスを考える一歩となり得ます。
みんなどれくらい使ってる?趣味にかける平均的な支出額
「自分は使いすぎなのだろうか?」と悩む前に、一般的な支出の感覚を掴みましょう。これは平均以下が良い、平均以上は悪いということではなく、自分の感覚が世間とどの程度ずれているのかを推し量るための目安です。
他人に自分の趣味についてとやかく言われるのは嫌だろうし、お門違いだと思うからです。
データ①:日本経済新聞・家計調査年報に基づくデータ
日本経済新聞の記事(出典:日本経済新聞)によると、勤労者が月々にかける趣味の支出は…
- 単身世帯で 約3万円
- 二人以上世帯では 約5万円
という結果が出ています。あくまで統計の話であるため、「あれ?これだけ?」という方もいれば、「え、こんなに?!」と驚く方もいるでしょう。
データ②:月々の趣味にかける支出の中央値は5,000円未満
家計調査年報のデータとより似た結果のアンケート(出典:PR TIMES)では、以下のような結果が出ています。
| 月々の趣味への支出 | 割合(中央値) | 傾向 |
|---|---|---|
| 5,000円未満 | 半数前後 | **一般的な中央値** |
| 3万円未満 | 多数派 | 一般的な支出範囲 |
基本的に半数前後の人は毎月5,000円未満で楽しんでいます。ザッとみるに多くても3万未満が一般的なのではないでしょうか。個人的な感覚で言えば、僕の立ち位置も結果の大多数である5,000円未満に属します(月平均したらもっと低いですが)。
データを見て自分を肯定若しくは否定するのではなく、**自分の支出感覚がどの程度であるのか**を掴みましょう。
趣味にかけるお金はいくらが適当?健全な支出を測る3つの物差し
これらのデータを踏まえて、いよいよ「自分」にとって適切な支出額を考えます。自分を見つめ直すために必要な項目は以下の三つです。
1. その支出は「収入の範囲内」か?
適当な支出額を考えるのに最も手っ取り早いのが、収入の範囲内であるか否かです。クレジットカードの分割払い、消費者金融、メルカリで日銭稼ぎ、無理な節約等により絞り出した支出は適当とは言えません。
- 毎月無理せず生活ができているか?
- 貯金も少しでもできており、その余裕資金で楽しめているか?
個人的には、毎月無理せず生活が出来て、貯金も少しでも出来て、**その余裕資金で楽しむ**程度の感覚が健全だと思います(個人の感想です)。
趣味資金を捻出する家計管理テクニック
「収入の範囲内で趣味を楽しみたいけれど、お金がない」という方は、まず**予算配分を見直す**ことから始めましょう。趣味の予算を確保するための具体的なテクニックを2つ紹介します。
- 先取り貯蓄と先取り趣味費: 給料が入ったら、生活費や固定費を引いた後、最初に貯蓄と「趣味費」を別口座に移して確保する。残ったお金で生活することで、趣味の予算オーバーを防げます。
- 費目の見直し(変動費の削減): 毎月の変動費(食費や交際費、通信費など)を10%カットできないか検討します。変動費の小さな削減額を集めれば、月々5,000円~1万円程度の趣味資金を無理なく捻出できる可能性があります。
2. その支出に「満足しているか」?〜限界効用逓減の法則との戦い
経済学用語に「限界効用逓減の法則」というものがあります。簡単に言うと、良いことも悪いことも慣れてしまうということです。
仕事終わりに飲んだ一杯目のビールは美味しいが、何十杯と重ねると一杯目ほどの感動は得られません。これは趣味の出費も同様です。
お金と趣味のバランスを取るためには、「自分がどの程度までなら満足できるのか」を理解しようという話です。
たとえば、僕の趣味であるMTG。カードを買いたい欲は際限が無く、コレクションをしようと思えば永遠と方法が見つかります。しかし、僕は一定のルールや縛りのなかで遊ぶことで、自分が定める最適な支出の範囲内で楽しむことが出来ています。
何が言いたいのかというと、「~しかない」という思考ではなく、「~もある」という思考に切り替えることが重要ということです。その支出に満足しているか否かは、気持ちでどうとでもなると思います。
3. その支出に「依存していないか」?〜趣味と依存の違い
前項と似ているように思いますが、全くの別物です。満足しているしていないの話ではなく、依存性を物差しとして考えます。パチンコや競馬が最たる例ですが、このギャンブル性に快楽を依存してしまう状況が問題なのです。
自分の趣味に支出することで快楽を得て、ストレスを発散して、他でストレスを溜めて、趣味で発散する…こういった循環は健全であると言えません。
この依存による循環は、「ダメだ」と分かっていても収入を超えて支出してしまいます。冷静に振り返ってみて、趣味に対する姿勢が快楽への依存となっていないか考えてみてください。
趣味への依存度をチェックする3つの質問
「自分は依存しているかも?」と不安になった方は、以下の質問に正直に答えてみてください。一つでも当てはまる場合は、依存の傾向があるかもしれません。
- 趣味にお金をかけるために、日々の食事や健康を疎かにするほどの節約をしている。
- 趣味の活動ができないと、極度のイライラや不安を感じ、他のことが手につかなくなる。
- 趣味への出費が原因で、家族やパートナーとの間で金銭トラブルが起きたことがある。
趣味とお金のバランスをとるための具体的行動2選
「その支出に依存していないか」で今の支出が自分にとり適当ではないと思った方は、バランスのとり方を覚えましょう。人は楽しいこと、ラクなこと、快楽に弱い生き物だと思います。だからこそ、歯止めが利かなくなり、趣味とお金のバランスを崩すのです。
そこで以下の二つを制限として設けることを提案します。
1. 【強制的な制限】「お小遣い制」にして支出の上限を決める
一つ目はお金への制限を強制的にかけるのです。お小遣い制というのは理にかなっており、自分が2万円までと決めたら、その中でできる最大限に楽しいことを模索します。お金が無限にあれば無限に楽しもうとしますが、2万円だけと決めれば無駄遣いは出来ないでしょう。
だからといって、趣味への楽しさが減る訳でもありません。むしろ無限に使えるうちの2万円の消費よりも、より濃い2万円を使えると思います。
2. 【発想の転換】「お金のかからない趣味」をつくる
二つ目はお金に依存しない楽しみ方を覚える必要があるからです。僕は趣味に対してお金があまりかかりません。というか、本当に楽しいことや幸せに感じることにお金を必要としていません。
このような状態になると無敵で、お金も貯まるし、幸せだし、必要に応じてお金を沢山使えるようになります。
すぐに始められる「お金のかからない趣味」アイデア集
「お金をかけずに楽しむ方法」が思いつかない方のために、初期費用がほぼゼロ、もしくは低予算で楽しめる趣味のアイデアを提案します。
| 趣味のジャンル | 具体的な活動例 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 知的好奇心 | 図書館での読書、無料オンライン講座受講(YouTubeなど)、歴史散策(街ブラ) | 月額0円〜 |
| 身体と健康 | ウォーキング/ジョギング(公園利用)、自重トレーニング、ストレッチ、ヨガ(無料動画利用) | 初期費用のみ(靴代など) |
| 創造と表現 | ブログ執筆(無料サービス利用)、俳句/短歌、スケッチ(ペンと紙)、写真(スマホカメラ) | 月額0円〜 |
| 交流と地域活動 | ボランティア活動、地域のお祭りへの参加、ご近所付き合い(回覧板など) | 交通費程度 |
まずは自分の落とし所を探す意味でも、興味のある分野で「お金がかからない方法」がないか探してみてください。工夫次第で人生は楽しめます。
まとめと感情派のあなたへのおすすめ書籍
ここまで長々と書いてきましたが、趣味とお金のバランスをとるために言いたいことはこの三つに集約されます。
- 趣味とは何かを知る(自己理解)
- 一般的な趣味への支出を知る(世間との比較)
- 今の支出が適当なのか考える(3つの物差しによるチェック)
どうしても趣味を諦めたくない感情派の人へ
正直、オタク文化や趣味に没頭できる人の気持ちが分からないからこそ、論理的な話をしてきましたが、そこまで熱中できる何かがあるのは羨ましいとすら思います。
そういった方々に向けて良書があります。ヨメにもあげた書籍です。
僕の視点と異なり、より感情に寄り添った話をしてくれます。執筆には楽天証券の方である篠田尚子さんも関わっているため、インフルエンサーの薄っぺらい本よりはちゃんとした内容であると思いました。
どうしても貯まらない!でも趣味は諦めたくない!!という方にオススメの一冊です。
※個人の感想ですので、あくまでも目安として活用してもらえると助かります。
余力がある方は以下の記事もどうぞ




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