
こんにちは!ヨメです。
今回はミュージカル『Kinky Boots(キンキーブーツ)』2025の観劇感想を、作品初見かつ甲斐翔真さん好きな筆者が語ります。どうぞお手柔らかに…!
今回は前編。観劇に至るまでのお話や、作品全体の感想を綴っています!

実は産後初観劇!授乳中のおでかけ体験談はこちら


『Kinky Boots(キンキーブーツ)』とは?初見&甲斐翔真ローラへの期待感
日本初演が2016年のKinky Boots(キンキーブーツ)(以下、KB)。当時、小池徹平さんと三浦春馬さんのキャスティング、また題材的にも色々と話題になりましたよね。
2016年初演のあとは2019、2022年公演…好きな俳優さんも出演しており、毎回見に行くかどうか悩んだものの、結局タイミングが合わず見送り続けていました。
そんな中、2024年6月に観劇した『ムーラン・ルージュ!』初日でKB2025キャスト解禁があり、ローラ役に甲斐翔真さんの名前が!!スマホ片手に涙目になったあの時のことは、今でも鮮明に覚えています…
彼にとって、事務所の先輩であり尊敬する大好きな人であった三浦春馬さん。そんな春馬さんが演じたローラ役を、完全オーディションで射止めたという事実…胸がいっぱいになりました。
同時に、近年色んな作品に出演して目まぐるしく成長する彼のローラ…「絶対素敵だ!絶対にこの目で見る!」と思ったのです。



甲斐翔真さんがクリスチャン役で出演した「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」の観劇ブログはこちら…(リンク先はKBキャスト解禁の話に飛びます!)


『Kinky Boots』全体あらすじと見どころポイント
『キンキーブーツ』はどんなお話なのか、見どころはどこなのかetc…紹介していきます!
『Kinky Boots』ストーリーについて
まずはネタバレ無しのあらすじ、公式サイトの引用をご覧ください。
イギリスの田舎町ノーサンプトンの老舗の靴工場「プライス&サン」の次期社長として産まれたチャーリー・プライス(東啓介/有澤樟太郎)。彼は父親の意向に反してフィアンセのニコラ(熊谷彩春)とともにロンドンで生活する道を選ぶが、その矢先父親が急死、工場を継ぐことになってしまう。
工場を継いだチャーリーは、実は経営難に陥って倒産寸前であることを知り、幼い頃から知っている従業員たちを解雇しなければならず、途方に暮れる。従業員のひとり、ローレン(田村芽実/清水くるみ)に倒産を待つだけでなく、新しい市場を開発するべきだとハッパをかけられたチャーリーは、ロンドンで出会ったドラァグクイーンのローラ(甲斐翔真/松下優也)にヒントを得て、危険でセクシーなドラァグクイーンのためのブーツ“キンキーブーツ”をつくる決意をする。チャーリーはローラを靴工場の専属デザイナーに迎え、ふたりは試作を重ねる。
型破りなローラと保守的な田舎の靴工場の従業員たちとの軋轢の中、チャーリーはミラノの見本市にキンキーブーツを出して工場の命運を賭けることを決意するが…!



以下はネタバレありでお送りします!(ネタバレも何も…って気はするけど…)
一幕の終盤、「父親の望む自分になれなかった」というコンプレックスをキッカケに、チャーリーとローラは気持ちが通じ合います。
そこから、靴工場の従業員との衝突・チャーリーとローラの衝突(というより、突っ走るチャーリー?)等を経て、最後はミラノの見本市で成功を収めて大団円!
「受容」「家族愛」など強いメッセージ性を持ったストーリーで、色々考えさせられるシーンやセリフが散りばめられています。
【魅力①】ドラァグクイーンたちの美とエネルギー
劇中にはドラァグクイーンのローラ、そしてエンジェルスたちが登場しますが、皆可愛くて美しい…!女性顔負けな”内から出る美しさ”があるんですよね。ドラァグクイーン役を演じ切る役者さんたち、スゴイ。
そんな彼女たち、終始ハイヒールでバッチバチに踊り歌います。スゴイ。そりゃあ歌も踊りも出来る役者さんたち揃いなワケです…



「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」でWキャストだった大音智海さんとシュート・チェンさん。今回エンジェルスとして共演するのも個人的に胸熱です!
また、そんな彼女たちの目まぐるしい衣装変えも見どころの一つです(その分舞台裏は大変そうですが…)。どれも可愛くてファッショナブル!見応え抜群でした。
カーテンコールでは、客席通路にエンジェルスたちが降りてきて、近くで歌い踊る場面も!間近で見るエンジェルスたちはとってもキュートでテンション上がります!
【魅力②】心に残る楽曲、それを歌いこなすキャストたち
全曲、シンディ・ローパー氏が作詞作曲。心動かされる楽曲ばかりでした!
ドラァグクイーンのローラとエンジェルスたちのナンバーを始め、煌びやかで引き込まれる曲がたくさん!そんなアゲアゲな曲が多い分、しっとりしたナンバーが心に沁みる訳です。(当社比)
最後にはみんなで歌って踊って大団円なのもいいですよね。楽しくてハッピーで、観劇後にはちょっと勇気を貰って帰れる…そんな力のある楽曲・ミュージカルだと思います。
また、オーディションで選ばれたメインキャストをはじめ、実力派キャストが勢ぞろい!特にローラ役の甲斐翔真さん・松下優也さんは、ミュージカルシーンで魅力的なのはもちろん、J-POPライクな歌い方が魅力的で大好きなお二人です。
個人的には、チャーリー役の東啓介さん・ローレン役の清水くるみさんと田村芽実さんもそれぞれ別作品で拝見しており…。お芝居も歌も素敵な方々なので、とても楽しみにしていました!
特にローレン役のお二人は、シリアスからコミカルまで幅広いお芝居が上手な印象。どちらも見たくて本当に選ぶのが辛かった…!泣



産後の身でマチソワ見るのは色々と厳しくて断念しました…いつか必ず見たい!!
ミュージカル『Kinky Boots』初見の感想


※開演前・幕間・終演後のステージ写真撮影OKです※
舞台演出の感想:観客の熱量とカーテンコール
日本での上演が4回目となったKB。全くの初見だった私は、どんな雰囲気なんだろうな~と思っていたのですが…いい意味で「ブロードウェイ作品」だな!という感じ。
広すぎないちょうどいい空間で、舞台上と客席の熱量が一体となるのが心地よい、そんな作品でした。そして、見る人の心に寄り添うメッセージ性…近しい物を探せば、私も大好きな作品「RENT」とか、似たような雰囲気かも。
客席も、盛り上がるタイミングでの声出しや拍手・手拍子などバッチリ!カーテンコールではエンジェルスの客降りがあり、曲に合わせて一緒に踊っている人も。
初演からの作品好きな方・玄人の方々が客席にたくさんいるからかもしれませんが、客側もこの空間を楽しんでいるのが伝わってきて心地よかったです。
お気に入りの楽曲紹介:心を揺さぶる名曲とその場面
ローラとエンジェルスたちのナンバー「Land of Lola」「Sex Is in the Heel」、大団円の「Raise You Up」など…煌びやかで引き込まれる曲がたくさん!ハイヒールを履いてバッチバチに歌い踊る姿は景気が良い!!見ていて楽しかったです!
そんなアゲアゲな曲も大好きですが、一方でしっとりしたナンバーたちに心動かされました。
特に印象に残ったのは「Hold Me in Your Heart」。ローラが自分を認めてくれなかった老いた父親へ向けて、老人ホームで歌うシーンです。「愛しているわ」「さよなら」と車椅子の父親に声をかけて去っていく姿は、赦しであり、和解であり、決別でもあるんだろうなと思いました…。
強いけど脆いローラ(サイモン)だからこそ、ドラァグクイーン姿で父親へ向けて歌うことへの葛藤・覚悟は想像に難くありません。そしてそんな想いが伝わる歌唱を披露していた甲斐翔真さん、流石です…



「Hold Me in Your Heart」は、甲斐翔真さんの2023年billboardコンでも歌っていた楽曲。色々と思うところがありますね…
他にも、チャーリーとローラ(サイモン)の心が通じ合う「Not My Father’s Son」。シンプルでそぎ落とされた演出だからこそ、この曲の良さとお芝居の上手さが感じられてよかった!
登場人物の中で、コミカル可愛いローレンがけっこう好きなんですが…彼女を象徴するナンバー「The History of Wrong Guys」も好き!エアー(工場の設備で、勢いよく風が出るやつ、埃とか吹き飛ばすんですよね)で汗を乾かす仕草が違和感なくて…好きです…笑
ミュージカル『Kinky Boots』が教えてくれたこと


劇中でも特に印象に残ったセリフ中心に、感想や考えたことをつらつらと…。
誰かが望む自分になれなくても「自分がなりたい自分でいる」
「父親の望む自分になれなかった」コンプレックスで通じ合うチャーリーとローラ(サイモン)。
作中では”父親”ですが、誰しも”親が望む自分になろうとする”気持ちはあるんじゃないかな、と思います。または、期待に応えたい心、とか…。
でもそれだと、どこかで無理や違和感が出てきちゃう。“誰かが望む自分になる必要はない、自分がなりたい自分でいい”というのは優しい後押しだよなと思います。
今改めて「自分がなりたい自分って、どんな姿だろうな」と考える一方、「自分がなりたい自分が分からない」時代もあったよな~と過去を振り返って感じたりしました。



特に学生時代は、”親の望む自分になりたい気持ち”が大きかったかも…
ちなみに、以前の公演では「(男か女か)どちらか決めかねているあなた」だったセリフが、今公演から「本当の自分を探し求めているあなた」に変わったようです。翻訳前のニュアンスに寄せたのかな?
劇中でもあったように「『本当の自分を探し求めている誰か』は半径3km以内にいる」ことを忘れずに、日々を過ごしたいものですね…。
「受け入れること」で変わる世界
ローラと衝突していた工場従業員のドン。ローラに「そのままの他人を受け入れろ」と言われ戸惑います。
ですが劇終盤、ドンがチャーリーを受け入れたことをキッカケに、皆が”そのままの他人を受け入れる”ことができ、大団円となりました。
この”受容”って、簡単そうでとっても難しいことだなと思います。さらにその他人と何か成し遂げるとなるともっと大変で…受け入れて、一緒に前へ進まなきゃだからね…。



小学校の学級目標なんかで”みんな仲良く”とかよく言いますけど、アレ正直無理ですよね?!(こら)あれ実際は”受容して平和に過ごす”って意味だと思ってます…(笑)
でもどうしても無理!嫌い!理解できない!ってこともあると思うんですよ…そんな風に思う自分に自己嫌悪発動したりしてね…。でも、それも含めて「自分も他人も受け入れる」ことが大事なんだと。
そこで最後”大切な6つのステップ”の6つ目、「自分が変われば世界が変わる」が効いてくる…ってことだと思っていて!
自分自身の嫌だなって思う部分も丸ごと受け入れた上で、なりたい自分を見据えて、ちょっと心構えや行動を変えてみる。それだけで、見える世界や状況が変わる――世界が変わる、ってことなんだろうな~と思いました。
ミュージカル『Kinky Boots』から、生きる活力を貰った
メッセージ性の強いお話で、印象に残るセリフがたくさんありました。色々と考えさせられたし、今後子供を育てていく親として、忘れないでいたい言葉もたくさんでした…。
それが説教臭くならないのは、カリスマ性がありながらも人間臭い”ローラ”というキャラクター、美しくてキュートなドラァグクイーンたち、魅力的な歌とパフォーマンスのお陰なんだろうなと思います。
劇場を後にするときは、充実感たっぷりで明日からまた頑張るぞ~!って気持ちになりました!ありがとうキンキーブーツ!



後編は、キャラクターやキャストごとの感想をお届け予定!
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