こんにちは、ダンナです。
最近ヨメが「投資について教えて欲しい」と聞いてくれました。
お金や投資については個人の裁量に任せていました。
何がその人にとって満足のゆく支出なのか、個人によって違うと思います。
そのため、我が家では一定の約束をお互いに科したらあとは基本的に自由にしています(それ故にダンナのお金が投資や貯金、プレゼント等に使えるのです。ありがたや)。
それでは、今回のヨメからの質問
「投資信託とETF(上場投資信託)、結局何が違くて、どっちが良いの?」
以前「ETFってなに?オススメの銘柄は?」という記事を書きました。
個人的には丁寧に書いていたつもりですが、結構難しいそうです。
なので今回は初心者でも用意に嚥下の出来るような文章で投資用語を調理していきます。
投資信託とETF(上場投資信託)の違い
投資信託とETF(上場投資信託、以下ETF)の最大の違いは、株式市場に上場しているか否かです。
ETFは上場投資信託という名前の通り、株式市場に上場しています。株式市場に「上場する」ということは、証券会社(楽天証券やSBI証券等)を通じて、証券取引所(東京証券取引所等)の市場で、株式の売買が成されます。そのため、株式市場に上場している投資信託であるETFは、トヨタ(7203)やオリエンタルランド(4661)など個別株(各企業が発行する株式)と同じように買うことが出来ます。
一方、投資信託は株式市場には上場していません。
では、どこで売買されるのかというと「色んな場所」です(とてもザックリ話してます)。
投資信託は「投資信託運用会社」が作って、「販売会社」が売買します。そのため「販売会社」によって、扱われている投資信託が異なります。
スーパーやコンビニを例に話すと、『”亀田製菓(投資信託運用会社)”の作っている”亀田の柿の種(投資信託)”は、イオン(販売会社)では売っているけど、業務スーパー(販売会社)では売っていない。』という状況になるわけです。また、セブンイレブンやローソン等のみで扱われている「プライベートブランド」のように、セブンイレブン自体が投資信託運用会社であり、販売会社であるときもあります(有名な投資信託だと、ひふみシリーズ)。
以下の表は投資信託とETFの比較表です。詳しくは次の章から説明しますので、なんとなく眺めて頂く程度で大丈夫です。
それぞれのメリット・デメリット
ETFのメリット
(1)すぐに買える
ETFは「買いたい!」と思った時、お金さえあれば、その時の時価で買うことができます。個別株と同様に市場の開いている時間ならば「指値注文(値段を指定して注文する方法)」や「成行注文(注文した時点で一番有利な値段で注文する方法)」により売買が可能です。
(2)すぐに売れる
すぐに買えるのと同じ理由で、すぐに売ることも出来ます。100円で買ったものが、200円になった時点で売ることが可能なため、必要な時に売りやすいのが特徴です(あまり売買されていないETFではその限りではありませんが、今はこの解釈で大丈夫です)。
(3)真っ当な分配金が支払われる
ETFは会社法453条に則り、余剰金を分配金として支払うことが出来ます。その余剰金は会社法461条により範囲が定められているため、余剰金以外の不当なお金が分配金として支払われることはありません。(真っ当な…の指す意味については投資信託のときにお話します)。
勿論、ETFによって分配金が支払われるものと、支払われないものがあります。分配金の支払われるETFを保有することで、定期的にお金が確定利益として支払われます。
(4)少額で分散投資が出来る
投資において分散投資はリスクを抑えるために有効な手段です。これは投資信託にも当てはまりますが、ETFを買うことでいくつかの個別株(若しくは商品など)に分散して投資することが出来ます。
個別株であれば、トヨタを買うならトヨタ社のみしか買うことが出来ません。しかし、ETFはETFという商品を介して、例えば日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動するものであれば、日経平均株価やTOPIXを構成する銘柄を買うことが出来るのです。
お菓子で例えてみましょう。
草加せんべい(個別株)を買うと、手元に残るのは草加せんべい(個別株)のみになります。しかし、お菓子セット(投資信託、ETF)を買うと、草加せんべい(個別株)や甘納豆(個別株)、カリカリ梅(個別株)などが少しずつ入っているのです。
(5)費用が比較的安い
投資信託と比較して、ETFの維持にかかる費用(信託報酬)が安いです。これは投資信託でも同じですが、追加で支払うものではなく、100円分持っていたら100円の中から支払われていきます。そのため、高額な手数料の商品を買った場合はいつの間にか損をしている状態になるのです。
ETFのデメリット
(1)売買の金額は市場価格による
ETFは売買単位が決まっています。たとえば「100円だけ買いたい(売りたい)」と、価格を指定して売買することは出来ません(投資信託はできます)。株式市場で 1口200円前後のETFならば、最低でも200円前後でしか売買出来ません。ETFによっては1口1万円以上の商品があるため、買うものによってはある程度資金が必要になります。
(2)複利効率が悪い
複利という言葉をご存知でしょうか。
複利とは自分の投じたお金により得た利益を次回には元本として加える方式のことです。対義語に単利があり、こちらは利益を元本に含めません。
【例】
複利/1年目1,000円(元本)、50円(利益)
2年目1,050円(元本)、52円(利益)
利益合計 102円
単利/1年目1,000円(元本)、50円(利益)
2年目1,000円(元本)、50円(利益)
利益合計 100円
複利は運用期間が長ければ長いほど威力を増します。
例えば10,000円を年利5%で35年間運用した場合、複利と単利では以下のような差が出ます。
複利(35年後)/55,160円
単利(35年後)/27,500円
結果的に二倍以上の差が生じてしまうのです。
その複利を最大限活かすに当たり、最大の敵は税金と費用(手数料等)です。ETFは比較的手数料が安いメリットはあるものの、分配金には支払いの時点で税金がかかるため都度清算した状態で再投資する必要があります。
分配金が支払われるというのは、現時点での利益を確定できるというメリットの反面、都度税金がかかるというデメリットもあるのです。
そのため、効率的な複利運用の足枷となります。
(3)価格がリアルタイムで変動する
個人的にはデメリットには感じませんが、投資初心者においては大敵と言えるでしょう。たとえば、先程10,000円で買った商品が数分後に5,000円になった場合、慌ててしまう人は多いでしょう。また、今まで10,000円で買えていたものが15,000円でしか買えなくなった場合、購入を躊躇してしまうかもしれません。
この心理的負担は意外と侮れず、初心者やリスクを取りすぎた人にとっては大きな壁になります。
投資信託のメリット
(1)金額を指定して売買できる
投資信託は金額を指定して売買が出来ます。僕が思うに、投資信託の最大最強のメリットです。証券会社によっては100円から購入出来るため、少額からの運用にも向いています。また、「ドルコスト平均法」という運用にも適しています(詳しくは長くなるのでコチラを参照)。
つみたてNISAとの親和性も高く、毎月最大33,333円一定額を長期的に積立てることが可能です。
また、「500円だけ売りたい!」「総額の〇%だけ売りたい!」というニーズに合わせた売り方が可能です。
(2)複利効率が良い
投資信託には「分配金あり」「分配金なし」の二種類があります。分配金ありにおいてはこの限りではありませんが、分配金なしの投資信託ら複利効率が良いです。
ETFは余剰金を分配金として支払われますが、投資信託の中には余剰金を支払わずに再投資を行ってくれる商品もあります。そのため、都度税金を支払わずに済むため、少額からでも最大限複利運用が可能です。とはいえ、ETFのときも話しましたが、分配金は現時点での利益を得られます。将来的に分配金を含めて値下がりしてしまう場合はこの限りではありません。
(3)価格の変動にタイムラグがある
投資信託の価格は一日に一度しか更新されません。投資初心者やリスクを取りすぎた投資家にとって、リアルタイムの価格変動は毒にも成り得ます。実際、市場にお金を投じてみれば理解できると思いますが、購入した瞬間に値動きするというのはハラハラするものです。
投資信託の特徴である価格が一日一度更新というのは、投資初期においてはメリットとなります。
価格を気にせず、一定期間、一定額積み立てるという投資法は心理的にも勝ちやすく、続けやすい方法であるからです(勝つか否かは投資する商品によりますが)。
(4)少額で分散投資が出来る
これはETFとほぼ同じ理由です。投資信託もETFも違いは上場しているか否かですので、本質は変わりません。あえて言うならば投資信託のほうがより少額で分散投資が出来るということでしょうか。
投資信託のデメリット
(1)価格の変動にタイムラグがある
価格の変動にタイムラグがあることはメリットでもあり、デメリットでもあります。繰り返しになりますが、投資信託の価格は一日に一度しか更新されません。そのため、タイミングによっては高値で購入してしまいます。また、昨日まで利益が出ていたからと売却しても、次の日暴落していたら暴落した価格で売却することになります。
実際に自分で売却してみると分かるのですが、幾分か不便に感じるでしょう。
(2)売買が完結するのに時間がかかる
これは(1)のデメリットに似ていますが、売りたいと思った時、買いたいと思った時から数日かかります。ETFであれば売買の注文をかけた時点で市場に買い手(売り手)がいれば成立するが、投資信託は投資信託販売会社が一度買い取るため時間がかかります。
(3)資産運用に適さない不透明な商品が多い
ETFは法律に守られているゆえ透明性の高い商品が多いのに対し、投資信託は不透明な部分が多いです。また、資産運用に適さない商品も多く、商品を購入した時点で損をするものもあります。つみたてNISA(NISAではなく、つみたてNISA)で購入できる商品は、国が審査したものであるため酷いものは少ないです。しかし、個人が好みに合わせて購入する際は注意が必要です。毎月分配型の投資信託には手を出さないことをオススメします。
(4)ETFと比較して手数料が高い
投資信託には三つ(+α)の手数料がかかります。それぞれ、販売手数料(買う時にかかる手数料)、信託報酬(持っている時にかかる手数料)、信託財産留保額(売る時にかかる手数料)の三つです。
有人の銀行や証券会社のパンフレット等を覗くと、これら三つが割高でかかる商品をオススメしています。なぜなら、それが彼らの収入源であるからです(ネット証券でも見ますが、窓口ほどではないと思います)。
投資において手数料は避けられるリスクです。不確実性の多い市場ですので、自分の裁量でどうにかなるリスクは積極的に回避しましょう。
投資信託がオススメな人
それではダンナ的所感にはなりますが、それぞれの商品がオススメな人について説明していきます。
投資信託がオススメな人は以下のような人です。
・投資資金が少ない人
・すべてお任せして投資したい人
・増えた資産を売却する時ストレスにならない人
投資信託最大のメリットは定額で積立が可能な所です。ETFでは1口〇〇円と決まっているため、纏まったお金が無いと「ドルコスト平均法」による積立投資は出来ません(というより、効果が薄いです)。一方、投資信託は価格を指定して積立ができることから、自動的に高い時は少なく、安い時は多く購入することが出来ます。
また、投資信託は良くも悪くも投資していることを忘れられます。ETFだと分配金の再投資を自分で行う必要があります(証券会社によっては自動で出来ますが)。しかし、投資信託は配当金の再投資まで自動でやってくれるため、積立の設定をしてしまえば、あとは放置しても構わないのです。
しかし、投資信託は売却をすることで利益を得られます。実際に投資信託や株式を売却したことがある人は理解できると思いますが、買うよりも売る方がストレスは大きいのです。「本当にここで売って良いのか?」「今売ると複利の意味が無いのではないか?」など考えてしまうものです。愚直に積立てて来た人が将来このストレスを感じずに取り崩すことは難しいと考えています。
とはいえ、基本的にはつみたてNISA枠を限度額まで使い切ることから始めるイメージで良いと思います。
ETF(上場投資信託)がオススメな人
ETFがオススメな人は以下のような人です。
・分配金による利益確定をした方が落ち着く人
・投資をしている気分を味わいたい人
・つみたてNISAを満額設定できている人
投資信託ではなくETFを選択する人はそれなりに理由がある方だと思います。たとえばダンナはつみたてNISAを満額設定した上で、「分配金が欲しい!」となりETFを選択しました。
また、つみたてNISAを既に始めている人はわかると思いますが、投資信託は投資していることを忘れます。良い意味でも悪い意味でも。
投資をしている気分があると、より収入を増やし、より投資額を増やすためのモチベーション作りになるため、ETFは正解であったと思います。
高配当株を集めたETFであるならば、より分配金を得る楽しみが増すと思います。
まとめ
以上、投資信託とETFの違いとメリット・デメリットでした。どっちが良いの?という問いには、「まだよく分からない…」という人は投資信託、「お小遣い(分配金)が欲しくなってきた!」という人はETFという感覚で良いと思います。どちらも一長一短。性格によってオススメ変わってくるかな?と思います。
まずはつみたてNISAで積立設定をして、自分がどちらの人間なのか知ると良いと思います。
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