こんにちは、ダンナです。
皆さんは【FAANG2.0】をご存知でしょうか。
今までのFAANGは、Facebook、Amazon、Apple、Netflix、Googleといったアメリカを代表するハイテク企業の頭文字をとった造語でした。
一方、FAANG2.0はロシアによるウクライナ侵攻やインフレ等により不安定な相場となった2022年に流行ったセクターを指す造語です。
FAANG2.0は以下のセクターを指します。
・Fuels(燃料)
・Aerospace and defense (航空・防衛)
・Agriculture (農業)
・Nuclear and renewables (原子力・再生可能エネルギー)
・Gold, metals, minerals (金・金属・鉱物)
今後、これらのセクターが長期的なトレンドとなるぞ…!ということらしいです。
ふむふむ、答え合わせとなる20年後が楽しみです。
今回はFAANG2.0のなかでも個人的に好きな、Agriculture(農業)ETFについて調べてみました。
ゆるゆるとお付き合い下さい。
MOO(VanEck Agribusiness ETF)について
基本情報
MOOは農業関連企業に幅広く投資するETFです。
組入れ銘柄は農薬、動物用医薬品、肥料、種子・形質、農業・灌漑設備・機械、養殖・漁業、家畜、栽培・農園、農産物取引から50%以上の収益を上げている「純粋な」アグリビジネス株を選定しています。
銘柄は時価総額で選択され加重されています。各企業の加重上限は8%までとされているので、一部の銘柄にのみ偏ることはありません。
ポートフォリオの概要
国別でみると以下のとおり。
アメリカが58.46%、次いでドイツ8.43%、カナダ6.13%となっており、アメリカに偏りがみられます。もう少しアメリカの比率が低くても良い気がしますが…。
セグメントのベンチマークである「MSCI AC World Agriculture & Food Chain」でもアメリカが約6割であるため、規模的に仕方がないのかもしれません。
構成企業については以下のとおり。
トップ銘柄のゾエティス(Zoetis Inc.)は、動物用医薬品の世界最大のメーカーです。以前はコロナワクチンで知っている人も多いファイザーの子会社でした。S&P500の採用銘柄でもあります。家畜・ペット用の医薬品およびワクチンを発見、開発、製造、商品化する会社で、北米のみならず、欧州、アフリカ、アジア、および中南米で製品を販売している世界的な企業です。
2位の ディア・アンド・カンパニー(Deere & Company) は大手農機具メーカーで、農業や建設・林業、商業などを対象に各種機械の製造・販売を手掛けています。
トップ10には入っていませんが、日本企業上位にはKubota Corporation(クボタ株式会社)が採用されています。
パフォーマンスの概要
MOOの設定来からのパフォーマンス概要は以下のとおり。
S&P500(赤い線)と比較すると見劣りするかのように見えますが、長期的に見れば安定的に成長しており、CAGR(年平均成長率)は5.84%となっています。
シャープレシオ、ソルティノレシオ共にSPYと比べ劣後していますが、過去ですので参考程度に考えてもらえればと思います。
※切り取る年代によってパフォーマンスが異なりますので…。
KROP(Global X AgTech & Food Innovation ETF)について
基本情報
KROPはMOOとはちょっと毛色の違う農業ETFです。
農業技術とフード・イノベーションという2つのテーマを1つのファンドに統合した指数を採用して、それを追跡しています。
Global Xは、農業技術とフード・イノベーションを以下のように定義しています。
農業技術
作物収量の増加、農業労働力の削減、制御された環境を用いた農業の最適化に用いられる技術
フード・イノベーション
植物や非動物由来の代替食品を生産し、サプライチェーンにおける食品廃棄物を削減するために用いられる技術
銘柄は3段階を経て選定されています。
まず、世界株式の中から農業テック&フード関連企業を選びます。
つぎに、以下3つの部門に分けます
Pure Play:関連事業の売上高比率が50%以上の企業
Pre Revenue:関連事業を主業としているものの、収益をあげていない企業
Diversified:関連事業の売上高比率が50%以下の企業
最後に部門ごとに組入上限を定めます。
基本的には時価総額(浮動株調整後)をもとに組入比率を決定して、1銘柄の比率は0.30~12%。比率4.5%以上の銘柄の合計は48%以下、それ以外の銘柄の比率上限は4.5%とします。一方、Pre Revenue、Diversifiedは各々合計15%まで、1銘柄の上限は4%まで…とGlobal Xさんが好きな難しいポートフォリオの組み方をしています。正直好みではありません…。
ポートフォリオの概要
国別でみると以下のとおり。
こちらもアメリカが約6割を占めています。構成割合はセグメントベンチマークの「MSCI AC World Agriculture & Food Chain」と近いです。日本が入っていないのは少し寂しい所…。
構成企業については以下のとおり。
トップ銘柄のYuan Longping High-Tech Agriculture Co., Ltd. は中国の種苗会社のようです(情報が少なくて調べきれていません)。中国が力を入れているハイブリット米の父として知られている袁龍平氏に因んで名付けられた会社で、稲やトウモロコシなどを遺伝子組換え等の技術により農業に革新を与えているそうな…。
MOOと比較するとトップ銘柄の時点で毛色が違うのが伺えます。
パフォーマンスの概要
KROPの設定来からのパフォーマンス概要は以下のとおり。
まだ上場してから日が浅いため大したデータはありません。
強いて言うならS&P500とほぼ同じような動きをするにも関わらず、S&P500よりも最大下落率が高いところがマイナスポイント…というところでしょうか。
農業というよりはハイテク企業のそれに近いように感じました。
MOO vs KROP
パフォーマンスの比較
参考までにMOOとKROPのパフォーマンスを比較します
この期間だけ切り取るとMOOはS&P500をアウトパフォームしています。
一方、KROPは劣後しており、2022年に起きたFAANG2.0ブームに乗れていないようです。
参考となるデータが少ないため、これだけで語ることは出来ませんが、KROPの今後に期待したいところです。
最近読了したETFハンドブック曰く、流動性はAUMの多寡ではなく、その裏付けとなる資産が決めるそうです。そのため、現状AUMがKROPのほうが少ないからと悲観することはないのかも知れません。
コモディティETFとの比較
農業ETFとコモディティ(穀物など)ETFを比較したら面白いものが見られるかも!と思いましたが、データの少なさから大した相関性が見られませんでした。
数年後、もし比較したデータが見たいということであればコメント等お待ちしています(遠い目)。
保有銘柄の重複
MOOとKROPの保有銘柄の中で7銘柄が重複していました。
割合はMOOからみると14%、KROPからみると23.3%にあたります。
ほぼほぼ重複がないことから、純粋な農業ETFとしてMOOを購入して、農業にグロースを求めてKROPを購入することも出来そうです。
さいごに
以上、MOOとKROPについて調べてみた結果です。
VanEckとGlobal Xはどちらも面白いETFを設定しているイメージでしたが、MOOについては意外とちゃんとしたETFだという感想です。
一方、KROPはGlobal XらしいETFだな~という感想以外ありませんでした。ポートフォリオの決め方が複雑にしすぎている気もします。
結論、農業ETFとして購入するなら、純粋な農業関連企業に投資しているMOOのほうが良いかな??という所感です。
他にもなにか調べてほしいETFがあればコメント下さい。
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