【奨学金が返せない】詰む前に知るべき猶予・減額申請と低金利時代の賢い返済戦略

JASSO奨学金が返せない時のロードマップ。猶予・減額制度を解説し、低金利を活かした賢い返済戦略を学ぶ女性

こんにちは、ダンナです。

最近、SNSで「#奨学金返せない」という活動が話題になりましたね。
給付型ではなく貸与型の場合、「奨学金という名の学生ローンじゃないか!」と言いたくなる気持ち、痛いほどわかります(僕もそう思っていました)。

とはいえ、奨学金のおかげで大学に通い、学びを得られたのも事実。僕自身も奨学金を利用し、その恩恵を受けた一人として感謝しています。

今回は、ただ「帳消しにしてくれ」と叫ぶ前に、「現実的にどうやって返済していくか」「返済が苦しい時に使える制度は何か」について、整理していきたいと思います。

政治的な議論ではなく、あくまで「個人の生存戦略」として、今奨学金に悩んでいる方の一助になれば幸いです。

※本記事は、僕が利用している日本学生支援機構(JASSO)を前提に解説します。


目次

そもそも奨学金とは?仕組みを再確認

まず前提として、日本学生支援機構が行っている奨学金事業の目的を確認しておきましょう。

憲法、教育基本法に定める「教育の機会均等」の理念のもと、経済的理由で修学が困難な優れた学生等に学資の貸与及び給付を行っています。参考:文部科学省HP

つまり、経済的な理由で進学を諦めないためのセーフティネットです。
平成29年からは給付型(返さなくていいやつ)も導入されましたが、基本的には「将来の自分への投資資金を借りる」という性質のものです。

【最重要】自分の奨学金の種類と利率を把握する

「返済が不安だ…」という方の多くは、自分が借りている契約内容を詳細に把握していないことがあります。
まずは、敵(借金)の正体を知ることから始めましょう。

奨学金の種類(第一種・第二種)

日本の大学を卒業した場合、主に以下のパターンに分かれます。

  • 給付奨学金:返還不要
  • 貸与奨学金:返還必要
    • 第一種:無利子(元本のみ返済)
    • 第二種:有利子(元本+利息を返済)

この記事を読んでいる方の多くは、貸与型を利用しているはずです。
ここで最も重要なのは「利子の有無」「適用利率」です。

利率を知れば「怖さ」が減る(有利子・併用の方へ)

奨学金の金利は、一般的なカードローンやリボ払いに比べて非常に低く設定されています。まずはスカラネット・パーソナルにログインして、自分の適用利率を調べてみてください。

なぜ利率を知る必要があるのか。それは「急いで返すべきか、ゆっくり返すべきか」の判断基準になるからです。

【判断基準の例】

  • 奨学金利率 1.0% > 預金金利 0.5%
    → 借金利息の方が手元の運用益より高い。早急な返済を検討すべき。
  • 奨学金利率 0.3% < 預金金利 0.5%(または投資リターン)
    → 借金利息より手元の資金が生む利益が高い。ゆっくり返済して、現金を手元に残す方が合理的。

今の世の中の金利(リスクフリーレート)と、自分が借りている金利の差を把握することで、冷静な立ち回りが可能になります。

返済が苦しい時に取るべき行動:「猶予・減額」制度の活用法

年収が低かったり、失業したりして「毎月の引き落としがキツイ」という場合、決して放置してはいけません。滞納は信用情報に傷をつけます。
日本学生支援機構には、正式な救済措置(セーフティネット)が用意されています。まずは行動しましょう。

1. 減額返還制度(毎月の額を減らす)

「返済総額」は変わりませんが、月々の返済額を2分の1または3分の1に減らし、その分返済期間を延長する制度です。
「今は手取りが少なくて生活がカツカツ」という方は、まずこれを検討してください。

  • 利用上限:最長15年(180ヶ月)まで。
  • 申請の注意点:返済期限の約2ヶ月前までには申請を開始しましょう。

参考:月々の返還額を少なくする(減額返還制度) | JASSO

2. 返還期限猶予(返済を待ってもらう)

失業や病気などで収入が途絶えた場合、返還を一時的にストップ(先送り)できる制度です。
その期間の利息は増えません。「今はどうしても払えない」という緊急事態用です。

  • 利用上限:通算10年(120ヶ月)まで。
  • 緊急時の対応:災害や傷病など、緊急時は猶予が認められやすくなります。

参考:返還を待ってもらう(返還期限猶予) | JASSO

3. 返還免除(死亡・障害など)

本人が死亡した場合や、精神・身体の障害により労働能力を喪失した場合は、返還未済額の全部または一部が免除される制度もあります。

最悪のケースでも救済措置は講じられていますが、まずは労働能力を維持するための自己投資(健康管理など)を優先しましょう。

猶予も減額も「返済を先延ばしにするだけ」です。その間に、必ず収入アップや転職活動を行いましょう!

ダンナ

収入アップについては以下の記事が参考になると思います。

一括返済は賢いか?インフレ時代の返済戦略

「借金があるのが気持ち悪いから、貯金を崩して一括返済したい」という相談をよく受けます。
これに対する僕の回答は、「利率とインフレ率による」です。

固定低金利なら「手元資金」を優先する選択肢も

僕の場合、第二種奨学金(有利子)ですが、固定金利かつ低金利の時期に借りました。

2025年現在、あおぞら銀行などの普通預金金利が0.5%になり、物価も上昇(インフレ)しています。
インフレが起きると、現金の価値(借金の負担感)は相対的に下がります。

  • 利率見直し方式(変動金利)の人:金利上昇リスクがあるため、将来の計画を立てるためにも早めの返済が精神衛生上おすすめ。
  • 利率固定方式(低金利)の人:慌てて返さず、手元資金を厚くして「すぐに動かせるお金」を確保する方が合理的。

僕は「いつでも一括返済できる現金」を確保しつつ、あえて毎月定額返済を続けています。これは「借金を背負っている」というプレッシャーよりも、「手元に現金がない」リスクの方を恐れているからです。

奨学金返済は「甘え」ではない。建設的なマインドセットの転換

ここからは、多くの人が議論するテーマについて、僕の考えを述べます。

結論から言うと、「返せない状況」そのものは甘えではありません。
大卒資格を得ても給料が高いとは限らないし、予期せぬ病気や家庭の事情もあります。

しかし、「制度や社会のせいにして、借りた事実にヘイトを向けること」は、解決を遅らせる要因になります。

奨学金は、担保も信用もない学生に対して、比較的低い金利で長期間お金を貸してくれる制度です。そのおかげで進学できた過去があるなら、借りたものは返すのが道理です。

大切なのは「他責思考」を捨て、行動すること

「国が悪い」「親が悪い」と言っていても、借金は減りませんし、生活も豊かになりません。
他責思考は思考停止を招き、人生を好転させるチャンスを逃してしまいます。

「今は返せない」という事実を受け止め、猶予制度を活用し、その間に「どうやって収入を増やすか」「どうやって昇給するか」という建設的な行動に時間とエネルギーを費やしましょう。

「生存者バイアスだ!」と一蹴されるかもしれませんが、返済への努力こそが、次のステップへ進むための準備になります。

僕が完済に向けて実行した具体的な生存戦略

最後に、僕個人がどのように奨学金と向き合ってきたのか、具体的に話して終わります。

  1. 貯蓄目標の明確化:奨学金総額をいつでも一括返済できる額を「緊急時用資産」として設定しました。
  2. 「貯める→増やす」の徹底:毎月の手取りの70%を固定で貯蓄し、昇給や副業で増えた収入も全額貯金しました。
  3. 低金利の活用:僕の借りている奨学金の金利(例:0.3%)よりも高い金利の普通預金(例:あおぞら銀行0.5%)や、低リスクな金融商品(国債など)に資金を置いて、借金と運用益の逆転現象を利用しました。

僕は、貧困家庭で育ち、特別裕福ではありませんでした。
しかし、入社後3年でこの「いつでも返せる状態」を達成しました。これは、「相手(借金)を知り、己を知り、自分に適した生存戦略を練った」結果だと信じています。

返済できるかどうかは、最終的にはあなたの行動(生存戦略)次第です。

もし、具体的な返済計画や家計管理で悩んでいる方がいれば、コメント等で相談に乗ります。
一緒に、完済への道を歩んでいきましょう。

ダンナ

他にも役立ちそうな記事を挙げておきます。参考になると嬉しいです。

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