
こんにちは、ダンナです。
今年の4月から社会人になる義弟に向けて「社会に出る前に伝えたいお金のこと」と題して、お金について教えました。その時の内容を他の「新社会人」にも知って貰いたいと思い、稚拙ながら文章として纏めました。急いで纏めたので不備等があるやもしれません。それらはコメント等で質問してください。
この文章がこれからの生活に不安のある皆様への一助になれば幸いです。
はじめに
これから社会人として歩みはじめるあなたへ
今から話すことは、私がこれまで大切に育ててきた「哲学」です。映画『バケモノの子』では“胸の中の剣”と表現されていましたが、イメージとしては相違無いです。私は「胸の中の剣」を常に心で振るい、研ぎ澄ますことで、より大きな成長をもたらすと信じています。また、それが最大の親孝行であるとも考えています。
社会人としての歩みは想像よりも大変です。もちろん、楽しいことも沢山あります。しかし、それを語るには経験が浅いため、あなたの父や母に任せます。
では、若輩者の私があなたに伝える「哲学」は何か。
それは「お金との向き合い方」です。
詳細は伏せますが、私は一般的な日本人よりもお金について学び、殖やし、稼いでいると自負しています。それが理由として足るかの判断はお任せしますが、「お金との向き合い方」という内容であるならば、少なからず私にも資格があると自惚れることにします。
そして、これが熟考の末にたどり着いた「あなたへのプレゼント」であると言い訳させて下さい。
この哲学があなたの人生の一助となれば幸いです。
さて、お金との向き合い方について、以下の順番で話していこうと思います。
(1)お金とは何かを知る
(2)お金の原則を理解する
(3)原則を理解した上で実践する
(4)幸せはお金がかからないことが多い
(5)なぜお金と向き合う必要があるのか
お金とは何かを知る
常日頃より扱うお金。当たり前のように扱うがために、お金について深く学ぶ人は多くありません。それは、金融庁がまとめた『金融リテラシー調査 2019年』から窺えます。この件については話がそれてしまうので、いずれお話できればと思います。
それではお金について紐解いていきましょう。
お金には一般的に3つの機能があると言われています。
・交換機能
お金を介さずに何かを得る場合、私が望む「物・サービス」と相手が望む「物・サービス」が一致しなければ成立しません。私達が「お金」を価値有るものと認識している限り、共通の価値として交換行為が成立します。
・価値保存機能
お金には「物・サービス」を共通の価値として保存する機能があります。時間により実質的な価値は増減しますが、額面としての価値は常に一定です。あなたが与えたサービスや物が「お金」という形で保存されます。
・価値尺度機能
SI(国際単位系)が無ければ1mがどの程度の長さ(距離)なのか、ひとそれぞれ認識が異なるでしょう。同様に、お金は「物・サービス」に対しての価値を、日本では「円」という単位を用いて、同じ尺度で測ることが出来ます。
お金を使う時、これらの機能を知っていることが重要であると私は考えます。
ここでのポイントは、お金は「目的」ではなく「手段」であるということです。
お金は何かと交換する為の手段でしかありません。
社会人として稼ぎ始めると、お金を得ることを「目的」として扱われがちですが、本質を見失ってはなりません。
暴論にはなりますが、お金は「時間」を買うことが出来る数少ない手段と考えています。時間を買うということは、自由であるとニアリーイコールです。詳細は最後の章でお話することにしましょう。
以降お話していく中で重要な考えですので、覚えておいてください。
お金の原則を理解する
お金には大別すると5つの原則があります。今回は先人が「お金の原則」として綺麗に整理されていたので『ユダヤ人 大富豪の教え~幸せな金持ちになる17の秘訣~』から言葉を引用します。お金持ちになる為の原則として書かれていましたが、私がお金持ちになる原則を説くのは力不足であると思います。
そこで、お金を扱う上で養うべき力としてお話していきます。
※紹介した本は大変良書ですので、興味があれば一度読んで見ることをおすすめします。
お金の原則は以下の5つ。
①たくさん稼ぐ
②賢く使う(節約)
③がっちり守る
④投資する
⑤分かち合う
一つずつ解説していきましょう。
①たくさん稼ぐ
世間一般で言われる「お金持ち」になるには、たくさん稼ぐ必要があります。「お金持ち」を目標としなくとも、限られた人生で「自分のための時間」を手に入れるには、やはり稼ぐ必要があります。
早い話、「①たくさん稼ぐ」ことが出来なければお金持ちになるのに時間がかかりますし、その分「時間」を買って「自由」を手にすることが遅くなります。
これから話す四つを上手にこなしたとしても、最後に大きな力を発揮するのは「稼ぐ」という行為です。
しかし、今現状の収入が少ないからダメという訳でもありません。寧ろ稼ぐことが「目的」となってしまうと、幸せになることは難しいと考えています。
仕事をする上で得られる報酬は二つあります。
一つは「お金」、もう一つは「成長」です。
お金のためだけに仕事をするのではなく、仕事を通して「人的資本」も高めていくことが重要であると考えています。
稼ぐ力が弱いうちは人的資本を高めつつ、ほか四つの力を同時に養っていけば良いのです。
②賢く使う(節約)
節約は収入が少ないときに最も効果的な行為であり、収入が増えた後でも留意すべき力です。
例えばの話をしましょう。
私の年収が600万円、あなたの年収が300万円だとします。その差は二倍もある訳ですが、私の年支出が400万円、あなたの年支出が100万円であったとき、手元に残るお金は同じ200万円です。
「何を当たり前のことを言っているんだ」と、呆れてしまうかもしれません。そう、当たり前のことです。沢山稼いでも、沢山使ってしまえば、いくら稼いでも同じということなのです。
収入が低いと使えるお金が限られている分、お金持ちの方が羨ましいと思うかもしれません。多趣味な方こそ、そう思うでしょう。
しかし、浪費した金額の差で幸福度に違いが出るのでしょうか。
感情論は一度抜きにして、理屈で考えてみましょう。ミクロ経済学の概念に「限界効用逓減の法則」という法則があります。
これは、一定期間に消費される財の数量が増加するにつれて、その追加分から得られる限界効用は次第に減少するというものです。
例えば、あなたは今、居酒屋さんにいるとします。
この日は大変暑く、身体がビールを欲しています。
入店直後はキンキンに冷えた店内は心地よく、その後すぐ出てきた一杯目のビールは最高に美味しいと感じるでしょう。
しかし、二杯目、三杯目…と注文したビールは、一杯目のビールと比較して、さほど大きな喜びをもたらしません。
また、二~三時間ほど滞在していると、先程まで心地よかった冷房が不快に感じる人もいるでしょう。
過ぎたるは及ばざるが如しと言います。また、足るを知るという言葉もあります。
私は節約とは言わずに、三菱サラリーマンさんの提唱する「支出の最適化」と言うようにしています。
節約の意味を調べると「無駄遣いを無くすように極力努めること。支出を切詰めること。」と出てきます。
一方、支出の最適化は「自分の価値観や夢・目標に照らし合わせて、金銭に関わる経済行動に対して適切に取捨選択をする」ことを意味します。
やっていることは同じかも知れません。
しかし、無理してお金を切詰めるのではなく、自分の価値観や夢・目標を見据えて、何が必要で何が不要なのかを考える行為は、一般で言う節約とは大きく違うと考えます。
文字通り、支出を最適化するのです。
自分にとって最適な距離感を覚えましょう。
③がっちり守る
まだ大してお金を持っていないし、守るものなど無い。と思っている人ほど陥る罠かも知れません。あなたのお金は、常に狙われています。
お金を守る。というと、詐欺に気をつければいいんでしょ?と思うかもしれません。
しかし、社会はそんなに甘くないのです。
例えばコンビニ。あれはとても巧妙です。行動経済学を応用した経営戦略を多段に駆使しているのです。
自分の意思で買ったはずのお菓子やコーヒー等は、本当にあなたの意思が貫かれているのでしょうか。
何となく手に取ったお菓子や、漫画雑誌、食玩等はありませんか??
コンビニに限らず、世の中には「あなたのお金を使わせようとする戦略」で満ち満ちています。
②賢く使う(節約)と通ずるものがありますが、お金を守る力というのは非常に得にくいものです。
どうしても支出をしてしまう場合はクレジットカードを一切やめて、現金にしてしまうのも手です。
同じ金額でも心理的な痛みを伴うのは現金であると言われています。きっと上手くいくことでしょう。
④投資する
お金を貯めるのと同時に、投資をしてみましょう。
投資家としての経験を経ずに大きなお金を得るのは難しく、投資家としての知識なくしてお金を維持するのは難しいです。
私たちが住む日本は資本主義を採用しています。資本主義社会を生きる上で、少額であっても資産を持つこと、また投資の知識を学ぶことは不可欠であると考えています。
例えば、あなたは宝くじのリスクとリターンを理解していますか?多くの人は宝くじのリスクとリターンについて理解しないまま「夢がある」、「買わなければ当たらない」と言います。
数字を読み解き、理解しなければ、一生搾取されてしまうでしょう。
ちなみに私は絶対買いません。
⑤分かち合う
これは私が一番好きな原則です。簡単に幸せになれますし、幸せにすることも出来ます。
例えば、初任給の使い道について考えてみましょう。
初任給を自分の趣味や美味しいものに使うとします。それは最高に気持ちが良いでしょう。しかし、気持ちが良いのはあなただけであり、②賢く使うでも話したように長くは続きません。
初任給を自分の為だけに使うことについて強く否定はしませんが、私のオススメは他者と分かち合うことです。
私は初任給が入ったその日に、親と弟を連れて安い焼肉屋さんに行きました。
金額からしたら大した額ではありませんし、初めて行くわけでもありません。
しかし、自分が稼いだお金を一部でも誰かと分かち合うことで、自分も相手も幸せになるのです。
それは金額以上に幸せを感じやすく、また思い出として強く記憶に残ります。
暖炉に対して薪をくべずに「私を暖かくしてみろ!」と叫ぶ行為ほど虚しいことはありません。
お金持ちになる為には、まずは他者へ与えることが重要であると考えます。
原則を理解した上で実践する
さて、それぞれの原則を理解したところで、どのように実践すれば良いのかについてお話しましょう。とはいえ飽くまでも一案です。紹介するものが私の全てではありませんし、あなたにとって充分であるとも考えていません。
実践する上で自分の心地よいやり方を探していきましょう。
①たくさん稼ぐ~実践編~
まずはじめに「①たくさん稼ぐ」です。これは企業に就職し、サラリーを受け取るものであるならば収入は限られます。
私のオススメは「とにかく仕事を頑張ってみる」ことです。
ただ闇雲に頑張るのではなく、多くを学び、経験しましょう。
なかには副業をオススメする人がいます。それ自体は否定しませんし、私自身必要であると思っています。ですが、社会人として未熟な状態で、副業に手を出したところで「どちらも中途半端な社会人」が出来上がると考えています。
まずは自分の仕事に向き合い、出世をするなり、資格や業績をあげることでインセンティブを得るなりしましょう。
二度目になりますが、仕事で得られる報酬は「お金」と「成長」です。
では、「とにかく頑張る」にはどうしたら良いのでしょうか。
考えられる努力は幾つかあります。
・自分の会社や業務を良く知る。
・今やっている業務がどのような利益を生むか考え、調べる。
・自分の仕事に関係する本や情報を集め、学ぶ。
・実際に学んだ内容を行動に移す、または提案してみる。
などなど…。
個人的に残業で稼ぐことは是としていません。残業ありきで仕事をしてしまうと、お金に縛られ、稼ぐ意味が「手段」から「目的」へと変わってしまいます。
とはいえ、お金は欲しい。それは理解出来ます。私も欲しいです。
そういう考えが生まれてから「副業」や「ポイ活」といった手段で稼いでいけば良いと思います。
若い頃から残業ありきで仕事をしてしまうと「長く働けば沢山お金が入る」ことを知ってしまい、「稼ぐこと=時間の切り売り」としか考えられなくなります。
人的資本を若いうちから高めておくことで、今の就職先より好条件(給与が高い、福利厚生がしっかりしている)な企業に転職することも可能です。
目先の利益ばかりに囚われず、自分という資産を長い目で運用していきましょう。
②賢く使う(節約)~実践編~
つぎに「②賢く使う(節約)」の実践編です。
まずは私が実施している支出の最適化について例をあげていきましょう。
・飲み物は水筒を持参する
・お昼は手作り弁当を用意する
・携帯キャリアは格安SIM(楽天モバイル等)にする
・図書館を多用する
・保険を見直す
・コンビニはなるべく利用しない
・会社の飲み会は必要最低限
・散髪は1,000円カット若しくはセルフカット
・使うときは使い、リバウンドを抑える
…etc
支出は大別すると二つあります。
制限することで「痛みの伴う支出」と「痛みの伴わない支出」です。
すべての支出は平等ではありません。
支出の最適化を心地良い距離感で行うのに、この考え方は外せないでしょう。
このことに気づかせてくれたのは『FIRE 最強の早期リタイア術-最速でお金から自由になれる究極メソッド-』※です。この本は私にとっての経典です。個人的必読書です。彼女らの詳細な手順は本を読んで頂くとして、今回は僕が行った手順を紹介します。※義弟へのプレゼントとして実際に渡した一冊です。

FIREをしろ!というよりも、会社とは別に収入の柱を持つことで、心のゆとりを得てほしいという願いがあります。要約記事を読んでみて興味が湧いたら買ってみると良いでしょう。
手順は簡単。以下の通りです。
(手順1)自分の幸せとは何か考える
まずは軸を作りましょう。私の場合は以下の通り。
・奥さんと過ごす時間が幸せ
・美味しいものを食べるのが幸せ
・ゆっくりとした時間が幸せ
・友人と語らい会うのが幸せ
・家族と笑っていられるのが幸せ
・沢山本が読めたら幸せ
などなど
この軸を定めることで、支出の最適化をよりブレなくて実行できます。
二度目になりますが、支出の最適化は「自分の価値観や夢・目標に照らし合わせて、金銭に関わる経済行動に対して適切に取捨選択をする」ことです。
あくまでも自分の意思で支出をする事が大切なのです。
(手順2)固定費を見直す
毎月、何となくで支出しているものがこれに当たります。例えば、銀行の手数料、利用してないサブスクリプション、スマホ代などなど…。
これらは一度見直せば年間を通して大きな効果を生み出します。
私の場合は銀行はネット銀行(振込手数料等が無料)、ドコモから楽天モバイルへの乗り換え、生命保険等の見直しを行いました。
意外とネット銀行は便利です。
活用しない手は無いです。
楽天モバイルもエリア内であれば価格相応の充分なサービスを提供しています。
格安SIMは大いに検討の余地がありますので、騙されたと思って探してみることをおすすめします。
また、保険については元々多くは加入していなかったのですが、もしあなたも見直すほど加入していなければ「本当に加入する必要が無いか」等を見直すことが重要です。
(手順3)支出のリストを作る
つぎに支出のリスト作りです。
自分にとって何が痛みを伴うのか、伴わないのか目で見て理解する必要があります。
私の一例を紹介します。
《痛みを伴う支出》
・奥さんとの食事
・友人との適度な交友費
・健康を維持するための消費
・カード等の娯楽費
《痛みを伴わない支出》
・職場での飲み代
・日々のランチや飲み物代
・過度な服飾費
などなど
これらをリスト化することで、自分が何に支出すると嬉しいのか理解することが出来ます。
また、何が惰性や無駄遣いとして支出しているのかを理解することで、購入前に本当に必要か検討が出来ると思います。
痛みの伴わない支出は早期に改めて、代替があるようであればそれで対応しましょう。
私は職場で「飲み会」にはあまり行きませんが、「食事」には行きます。また、すべての飲み会に参加しないわけでもありません。適度な距離感を覚えましょう。
また、ランチ代や飲み物代は毎日積み重ねると大きな支出となります。自分でお弁当を作り、水筒に飲み物を入れて持ち歩くことで、浮いたお金は好きなことに使えます。栄養バランスも考えられて健康的な上に、安上がりなのだから言うことなしです。
(手順4)痛みの伴う支出を減らす
初めは不快感を覚えるかもしれません。しかし、痛みを伴う支出の中にも更に最適化出来る部分を知る必要があります。
例えば娯楽費。これは最適化が難しいと予想します。全て欲しい。全て買いたい。欲を満たしたい。
これは至極当然の考えで、抗うことの大変さを見てきているので…。
しかし、冒頭でも述べたように「足るを知る」ことが必要になります。
私の場合はマジックザギャザリングのカードが好きなので、パックを剥いたり、新しいカードが欲しかったり、コレクションしたり等の欲に再現はありません。
そこで一切買うことをやめて、購入の都度熟慮していく中で「必要なシングルカードを買う」、「パックは買わない」、「コレクションはしない」など適度な距離感を探しました。これは意外に痛みを伴いません。ようは慣れなのです。自分の欲に優先順位を付けて、余裕がある時に「パックを買う」「コレクションする」を実行すれば良いだけの話なのです。
もう一度言いますが、人の欲に際限はありません。
次から次へと欲しくなります。
人生の中で、その支出が位置する順位を見極めましょう。
(手順5)ご褒美を与える
ここまで話を聞くと、「あれ?ご褒美って与えて良いの?!」と思うことでしょう。
何もすべての支出を抑えて、お金を貯めろと言っている訳では無いのです。
人生を豊かにするため、支出を最適化しようというだけです。
オススメは食事や旅行です。
タイミングは自由です。
私は奥さんとの食事が何よりもの楽しみです。思い出にも残りますし、奥さんの喜ぶ姿が仕事の活力になるからです。
また、旅行も良いでしょう。何度行っても感動はあります。新しい出会いや経験もできます。
思い出や記憶にお金を使うことは幸福を長持ちさせますし、成長にも繋がります。
逆にオススメしないご褒美は高価なカバンや時計など、「モノ」によるご褒美です。
再度、限界効用逓減の法則を思い出しましょう。
③がっちり守る~実践編~
つぎに「③がっちり守る」の実践編です。ここで話す内容は実践編というには少々具体性に欠けますが、気をつけるべき点をより詳細にお話しましょう。
「③がっちり守る」の原則では、わかりやすくコンビニを例に出しました。しかし、本当に気をつけるべきは彼らでは無いのです。今から紹介する敵キャラと比較すると、彼らはせいぜいスライム程度のモブキャラです。彼らは人生を変えるほどに影響がある。エリアボスレベルと認識して相違ないです。
気をつけるべき人は一番に税務署、二番は奥さん、三番で友人、四番が詐欺師です。
一番初めにあなたのお金を狙うのは「税務署」です。
給与が入るとそこからお金を取っていきます。
節税は悪いイメージがあるようですが、悪いのは脱税であり、節税はルール上で行う正当な行為です。
会社員が出来る節税に「ふるさと納税」というものがあります。活用しない手はないでしょう。地元への還元という意味であれば、「①たくさん稼ぐ」「②賢く使う(節約)」で充分に出来ます。
二番目に「パートナー」です。
幸い私は賢い方と出会えたため苦労していません。しかし、世の中にはあなたが稼いだお金を使ってしまう人、奪っていく人がいるようです。幸せなお金持ちになるには、良いパートナーを探しましょう。
三番目に「友人」です。
友人は友情を盾にお金を借りに来るかもしれません。一度お金貸してしまうと、そこに利害関係が生まれてしまい、公平であるはずの友情は崩壊するでしょう。また、投資話やビジネスの話を持ちかけてくるかもしれません。銀行よりも遥かにお金を借りやすいからです。
私は実際に不思議な投資の話をもちかけられたことがあります。そんな商品があるなら、僕にもちかけず借金をしてでも投資すべきだと助言しました。
四番目に「詐欺師」です。
何故こんなことに引っかかるのだろう。そう思わせる詐欺に多くの人が引っかかっています。投資家として、まともな知識さえあれば理解出来るはずのことも分からないのです。
令和の世でありながら、100年ほど前から使われる詐欺の手法「ポンジ・スキーム」が、今なお幅を利かせています。
これは「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれ、その利益を出資者に配当しているかのように装う詐欺です。
最初のうちは配当金として受け取ることが出来るため、どんどん信頼して、どんどんお金を注ぎ込んでしまうようです。
番外編になりますが「銀行員」にも気をつけましょう。あなたの預金がある程度になると「あなただけの特別な投資」を持ってきて近寄ってきます。
また、窓口で資産運用の相談に行けば、多額の手数料が取られる商品を勧められます。
④投資する~実践編~
つぎに「④投資する」の実践編です。
まだ資本主義の荒波に揉まれていないあなたは「そもそも投資ってギャンブルでしょ?そんな危ないことして良いの?」と思うかもしれません。
しかし、広い視野で周りを見渡すと「投資」をしない状況というのが難しいほどに、世の中は「金融商品」で溢れています。
いちばん身近なモノで言えば「銀行預金」です。
これは銀行にお金を「預け」、銀行は他者に「貸付」ます。この時の利ざやで銀行は儲けて、その一部をあなたに「利息」として返します。
これと似たような商品に「国債・社債」があります。預金と同じで、額面上の元本保証がされていて、その時々に応じた利回りで運用されます。
預金や国債のように元本保証がされている資産を「無リスク資産」と言います(細かい定義はありますが、今は大雑把に)。
株式や投資信託、不動産等は元本保証のされていない「リスク資産」と位置づけられます。ここでいう「リスク」とは、日本人の想像する「危険度」ではなく「将来の不確実性」のことを指します。
イメージとして、預金や国債は元本保証という形で将来の不確実性を抑える代わりに利回りは低くなっています。一方、株式や投資信託等は“増えるかもしれないし、減るかもしれない”という不確実性を孕む代わりに高い利回りが得られます。
そのため、リスク資産に投資する場合は「無くなっても生活が困窮しない程度のお金」とされています。人や環境により一概には言えませんが、生活費の半年から一年分を現金で保有してから、投資にお金を回すと良いでしょう(精神衛生上)。
では、土壌が整い、実際に投資をするステージにたったあなたはどうすれば良いのか。
まずは証券口座を開設しましょう。これは投資をする前から開設しても良いと思います。しかし開設する口座は銀行や有人の証券口座ではなく、ネット証券で大丈夫です(むしろ有人は避けましょう)。
2022年現在でオススメできるネット証券は、楽天証券かSBI証券です。オススメする理由としては取引手数料等が安い(もしくは無料)であることです。
手数料は一見微々たるものですが、手数料の差により将来得られる利益が大きく異なります。
投資家にとっての大敵は「税金」と「予測不可能な金融危機」ですが、RPGでいうスライムは「手数料」や「詐欺」です。至る所に蔓延っています。
ちなみに、投資家にとっての大敵である「税金」については、現状“NISA口座”を開設することで解決できます。こちらについては自分で調べて見ましょう。
これは私からの宿題です。
つぎに投資する商品を決めましょう。
金融商品には株式、不動産、金、債券…と様々な商品があります。初めにオススメするのは株式です。色々と理由はありますが、一番の理由は「会社のオーナーになる感覚を養うことが出来る」です。
あまり馴染みのない感覚かもしれませんが、株式会社の所有者は社長ではなく「株主」です。とある投資家が経営に対して意見するため「物言う株主」と忌避されていましたが、株主はボランティアではないのです。今の業績を知り、企業の成長性を予想すること。これが株式投資で学べることの一つであると考えています。
とはいえ、一口に株式投資といっても方法は沢山あります。
投資初心者に適した方法は「投資信託」です。
理由は単純で100円から1円単位で投資が可能であるからです。
正直に言うと「初心者向けの投資」なんてありません。市場にお金を投じれば、全て等しく株主のお金として動きます。
しかし、その中でも便利なのが投資信託であるため、あえて言うのであればということでオススメします。
投資信託とは「複数人の投資家から集めたお金を販売会社が代わりに運用する商品」です。株式投資で分散投資(複数の株式を購入し、リスクを抑える手法)をするには多額のお金が必要になります。しかし、投資信託という商品を介して株式投資を行えば、投資額に応じた取引単位「口」が与えられることで、実質的な株式分散投資が行えます。
これに似た商品でETF(上場投資信託)というものがあります。簡単に言えば上場している投資信託です。投資信託の価格が決まるのは翌日ですが、ETFは株式市場に上場しているためリアルタイムで価格の変動があります。また、ETFは純粋な利益から分配金が支払われます。こちらも少額での分散投資が可能ですが、「100円分欲しいから100円で買う」ということが出来ません。詳細は下表を参照。

私は投資信託とETFを活用して資産運用を行っています。これらの利点は少額で分散投資が出来るだけでなく、「手間がかからないこと」です。
たとえば私が買っている投資信託に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」というものがあります。これはアメリカの代表的な株価指数であるS&P500に連動することを目的とした商品です(ざっくり)。
これを持っているだけでアメリカの優良大型株500社に投資ができます。時価総額加重平均で投資をしているため管理が必要ですし、S&P500からの除外や追加の際にも対応しなければなりません。
あえて難しく話していますが、この投資信託やETFは難しいことをしてくれているのです。
あなたが毎日、株式投資に対してホームワークが出来ないのであれば、個別株に投資するよりも投資信託やETFを使った方が良いでしょう。なぜならば「市場にお金を投じれば、全て等しく投資家のお金」であるからです。株式市場は無情にあなたのお金を減らします。
私が購入している(又はオススメする)具体的な投資信託は以下の通りです。参考になると嬉しいです。
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
少し慣れてきたらETFを活用して「高配当投資」に手を出すのも良いでしょう。デメリットや手間はありますが、定期的にお小遣い(分配金)が入ってくるため、分かりやすく生活を楽にしてくれます。
金融商品を買ったらあとは基本的に放置です。
毎月一定額を積立て(ドルコスト平均法)、長期的(15年以上)に運用し、広く分散するのとで“負けにくい投資”が出来ます。しかし注意が必要なのは未来は誰にも予測できないということです。自分の信じられる未来やストーリーを軸に投資をしましょう。
話し足りないことが多いのですが、ここら辺で一度終わります。詳しくは直接聞いてください(コメント等お待ちしてます)。
⑤分かち合う~実践編~
最後に「⑤分かち合う」の実践編です。
これは「こうしろ!」というものはありません。
強いて言うならば「モノ」で分かち合うよりも、「思い出」として分かち合う方がお互い幸せになれます。
先述しましたが、両親へ食事をご馳走することや、日帰り温泉に連れていくなどが良いと考えています。
この話をすると「お金に余裕があるから出来ることでしょ?」という人がいますが、私は初めて給与が入った時から絶えずやっています。要するに余裕があるか否かは関係ありません。暖炉に薪をくべずに暖かくしろという無理難題と同じく、他者に与えることを知らない人が与えられることはないのです。
私の座右の銘でもある「情けは人の為ならず」という諺があります。分かち合うことは情けを与えることではありませんが、考え方の本質としては似ていると思います。また、「親孝行したいときには親はなし」といいます。
初めのうちは親孝行として分かち合うのも良いでしょう。
実際に今でも話に上がるくらい喜ばれた事例を紹介します。是非参考にしてみてください。
・家族をつれて毎月食事に行く
・何も無い日に花やお茶などをプレゼントする
・たまにお菓子を買って、皆で食べる
などなど
「え?そんなんでいいの?」と思うことで大丈夫です。貴方がしてあげたいことをしてあげましょう。
ただし、与えすぎに気をつけましょう。飽くまでも賢く使うことを忘れずに。
番外編~銀行口座は三つに分けよう~
番外編として、お金の貯まるテクニックをご紹介します。方法は単純で用途によって銀行口座を分けるだけです。私の分け方は以下のとおりです。
・貯蓄用(基本的に下ろさない)
・支払い用(お小遣いもココ)
・プレゼント用(ここから好きに使えます)
不思議なことに、たったこれだけでお金が貯まります。ぜひ実践してみてください。
慣れてきたら自分の好きなようにカスタマイズしてみましょう。初めは管理しやすいように三つをオススメしましたが、私は投資用の銀行口座も持っています。
幸せはお金がかからないことが多い
ここまでお金の話ばかりしてきましたが、一度距離をとってみましょう。ちょっとした暇つぶしに「あなたが幸せに思うこと」をリストアップしてみて下さい。
小さいことから大きなこと、細かいところまで突き詰めて考えてみましょう。
私の場合は以下のような感じになります。
奥さんとのティータイム
奥さんの手料理を食べている時
友人との雑談
友人とマジックザギャザリングで遊ぶ
好きな本を読んでいる時
美味しい料理を食べている時
親へ何かしてあげられたと感じる時
などなど
私はわかりやすくお金がかからないことに幸せを感じます。逆にカードのコレクションや、ブランド品の購入では幸せを感じません。自分が懸命に働き得たお金を使うにはコスパが悪いとすら考えています。怪しい自己啓発本のような謳い文句ですが、「自分にとって本当の幸せとは何か」を知っていることは大変強みであると思います。
また、あなたのリストにも何かしらの気づきが得られるかも知れません。もしかしたらお金のかかる事ばかりかも知れません。個人的には②賢く使う(節約)を鍛えて欲しいと思うのですが、それは私の価値観です。お金を使うことでしか幸せを見い出せないにであれば、それを否定するつもりもありません。ですが、時間をかけても良いので「幸せはお金のかからないことが多い」ということを理解してもらえればと思います。
なぜお金と向き合う必要があるのか
さいごに、お金と向き合う必要性についてです。
ここまで大変お疲れ様でした。話し足りないことが多いため、伝えたいことが伝わっているか些か不安ではあります。しかし、あまり長過ぎるのも良くないでしょう。不足分は自習するか、質問してください。
では、なぜお金と向き合うのか。
それは心と体の健康の為にです。
一番初めの章で、お金で時間を買うことが出来る。と言ったのを覚えているでしょうか。
また、時間≒自由であるとも言いました。
では何故そのような考えに至ったのか。
それを理解するためには「労働者から資本家への転換の必要性」について学ぶ必要があります。
現実は無情で、合理的なのです。
トマ・ピケティ氏『21世紀の資本』のキーワードである「r>g」がそれを証明しています。
※この本は学術書なので初心者にはオススメできません。ある程度知識が身についてから読みましょう。
rはreturn(資本収益率)、gはgrowth(経済成長率)を指します。これだけ見ても疑問符しか浮かばないでしょう。噛み砕いて説明しましょう。
労働者の所得成長は、経済成長によってなされます。そのため、所得成長率≒経済成長率と置き換えられます。
つまり、この不等式は「資本に投資したことにより得られる収益率は、労働により得られる所得(賃金)上昇を上回る」ということです。
単純な不等式ではありますが、資本主義を簡潔に表した美しい不等式です。
労働による賃金上昇よりも、投資による資産拡大の方が効率よく稼げる…と乱暴に言い換えても良いかもしれません。
では、なぜ労働者から投資家への転換が必要なのか。
私は多くの人が仕事により体を壊し、心を壊し、仕事を辞めていく人を見てきました。
私自身も「あ、これ以上はやばい」というところまで仕事してしまったことがあります。
その時に支えになるのが「お金」なのです。
お金で時間を買うことが出来ると言いましたが、これはあまりにも乱暴な言い方で、言葉にすることが難しかったので伝えきれていない感は否めません。
しかし、極論ではありますが生活費を賄えるほどのキャッシュフローがあれば仕事を「しなければならない」から「してもしなくてもよい」と切り替えることができます。
仕事をするはずの時間をお金で買うことで、仕事をしないという自由を得ることができます。
投資家への転換がなされず、お金に無頓着なまま、20代、30代と過ごしてしまうと、ほぼ確実にお金を目的として働く人になるでしょう。働く以外でお金を稼ぐ方法は無いと経験により思い込んでしまうからです。
とはいえ、投資元本が少ないうちは「これだけしか増えないのにやる意味あるのか?」と思うかもしれません。
例えば高配当投資で年3%の配当金を受け取るとしましょう。少ない投資額では貰える配当金も微々たるものですが、1000万円の資産があれば毎年30万円(月2.5万円)収入が増えます。6000万円あれば毎年180万円(月15万円)です。ここまで貯めるのは大変かもしれませんが、毎月ある程度の収入があるということは、気持ち的にも大きな支えになるでしょう。
社会は意外と厳しいです。
もちろん楽しい時もあります。
個人的には楽しいことばかりだと思います。
これから社会人として一緒に頑張りましょう。
このお話が何かしらのキッカケになれば嬉しいです。
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