あれは4年前。
友人の推し(とっつー)と私の(準)推し(かずき)が舞台で共演する!しかもほぼW主演!?ということで、これは行くしかないでしょ!!!と勇んで遠征した「BACK BEAT」(初演)。
コロナやらなにやらで、気がつけば4年の月日が経ち…(恐怖でしかない)
2023年。
嬉しい再演の報せ!初演を一緒に観劇した友人と、今回も一緒に見に行くことができました。いろいろとありがとう…。
そんな”BACK BEAT 2023″の感想などなど。ネタバレ全開でお送りしますので、よろしければご覧ください~。
ビートルズ、詳しくなくてゴメン
最初に申し上げておきたい。私、洋楽ぜんぜんわからんのよ…
“The Beatles“(ビートルズ)…それ自体の名前や、有名な曲?レコードジャケット?知っていても、ぜんぜん詳しくないわけです。
「あの有名なビートルズね~、ふ~ん…」
ぐらいの気持ちで見に行きました、初演。(ファンの方に申し訳ねぇ)
だから、当ブログでは「〇〇さんの歌い方が再現度高い!」とか「〇〇の雰囲気がマジで〇〇だ!!!」とか、そういったことは書けないので、ご了承下さいね…
でも、ストーリーを追っていれば「ビートルズ、すげぇバンドなんだな」とぼんやりと感じたし(そもそも洋楽に詳しくない一般人がある程度わかるだけですごいバンドなのよ←)
バンドのことがわからない私でも、ストーリーの内容もとても良くて、楽しめました。(終始楽しく明るい話ではないけどね!!)
スチュとジョン。"愛と執着"だな~という話。
さて。4年の年月を経て、再演を観劇した私。
「あ~、こんな話だったわ~、うんうん。」
と思い出しながらではありましたが、ストーリーの咀嚼としては2回目…。より個々のキャラクターの感情・お芝居を楽しめました。
そこで真っ先に感じたのが
「スチュとジョン、これはバカデカ感情…いや、愛だよね…」
ということ。
ゔっ…オタク独特の言い回しで濁したくない!
え~い、これはもう”愛”じゃ!!!
変な意味とか一切なく、友人以上の心の繋がりがそこにはあって…だからこそお互いが気になる。どう評価されているか…とか、「もしアイツがいたら」「アイツだったらどうする」とか。
そこにはお互いへの…
尊敬や感謝…「あいつはすごい」「あいつがいたから今の俺がある」
ライバル心・競争心…「あいつには負けられない」
信頼…「あいつなら絶対成功する」
嫉妬…「あいつは俺にないものがあるから」
執着…「あいつは俺たちと一緒がいいに決まってる!」
とかとか、ぜ~~~~んぶないまぜになった感情。
お互いのことがわかっているからこそ、”好き”とかそういうの全部飛び越えた先にある…近い言葉で言えば、長年のメンバー愛みたいな…。
だからこの舞台の中のジョンは、スチュ亡き後もビートルズを続けた。
「そこにスチュはいる」からね。
スチュの精神というか、ポリシーみたいなものが、ビートルズの中で生き続けたんだろうな~と。そして、伝説のバンドになった、と。
人生を終えたあと、三途の川の前(なのか?)で待ち合わせ…してたじゃないですか。待ってた、とか、ずっと見てた、とか口にせず、無言でさ。
それで、お互いわかってる表情(カオ)で抱擁交わしちゃってさ~…ずっと見てた・見られてた、待ってた・待たれてたのを、言わずとも理解(わか)ってるカオですよね…。
あれを見せられたら、もう”いろんな感情を内包した愛だ!!!!”って思わざるを無かった。私は。
でもまぁ、ストーリーを追う中では、
スチュがバンド→画家になる?ならない?ってしてる時からずっと「ビートルズにはスチュが必要!!!」って追っかけ回すジョンも、
アストリッドを愛し、芸術に没頭しながらも、”ジョンとビートルズに負けられない”仕草のスチュも、
なかなかお互いに執着しているな~いいな~この執着~~~!(個人的感想)
執着あっての愛か、愛あっての執着か。もう「卵が先かニワトリが先か」的な話になっちゃいますけどね…笑。
結局それも、お互いが強く惹かれ合うような、魅力的な人間だったからこそ、なんだろうな~。出会ってしまったら、人生ひっくり返っちゃったやつ。
そんな二人の関係・感情、楽しく浴びることができました!ばくびたのし~~~!!
個々のキャラクターと感想
アストリッド:語り部のような存在感と、三角関係と
初演のときからずっと思ってたけど…
「なんだコイツ偉そうに~~~~~!!??」(失礼)
っていうキャラクターですよね(違います)。
物事を見通す力・人を見る目があるので、ビートルズの背中を押すようなポジションでありつつも、時には残酷な予言や助言をするわけです。
「あなたは、ビートルズの一員」「いずれ大きな決断を迫られる時が来る」
「あなたは画家の感性を持っている」
「ビートルズは大きな波を起こすけれど、流されてしまう人もいるわ」(いずれもニュアンス)
独特の台詞回しやミステリアスな雰囲気も相まって、まるで”物語の語り部“。
ジョンとスチュの関係をずっと見てきたイチ観客からすると「なんだこの泥棒猫…?!」(違います!!!)と思っちゃうところもありつつ、やはり”画家としてのスチュを生かしてあげられた”のは、彼女だけ。ジョンやビートルズではない。
でも、そんな”画家としての感性が生きるスチュ”がいたからこそ、ビートルズも成功したんだろうし。
そう思うと、運命は残酷だな~!!!
彼女自身の立ち位置上、スチュをビートルズに置いときたいのか置いときたくないのか…「いやどっちやねん!」てところがあって(物事の流れによって変わるのはわかるけども)見ていてモヤモヤするよね笑。
そんな中で繰り広げられる、ジョン・スチュ・アストリッドの三角関係。
見ていてソワソワしました笑。
そんな三角関係が一応は決着の形を見せる灯台のシーン、すごく好きな場面なのでこれは後で詳しく。
初演の女優さんもミステリアスでクールなカッコいいアストリッドでしたが、再演ではキャストが変わっておりました。
今回のアストリッドは元宝塚の娘役トップの方らしく(歌唱シーン無いから言われるまで分からなかった…けど、聞いたら納得の存在感・台詞回しだった)、よりアストリッドという”不思議だけど説得力がある”存在感の強いキャラクターになっていたなぁと思います。
ポール:「ビートルズは、俺と!お前で持ってる!!」
唯一の”リアル・ミュージシャン”キャストのJUONさん。初演のときは大して情報を入れないでの観劇(復習もせず)だったので、今回改めて知ってビックリ、そして納得です。
JUONさんのボーカルで一気に「バンド感」が出る…。(それはそう)
印象的なシーンといえば、スチュを探しに行くも、見つからなくて酒ヤケになるジョンに対し、ガツンというシーン。
「ビートルズは!俺と!!お前(ジョン)で持ってる!!!」
――今までも、これからも。
スチュは大してベースが上手いわけでもない、演奏がよかったことなんてない。俺とお前で、バンドとしてもってるんだ、と訴えるわけです。
ジョンは「スチュがいないと…」と反論するものの、新曲をつくるポールに付き合い始めます。
「俺とお前でやれば、クソでも多少はまともなクソになるだろ」
そういって作り出すのが、”プリーズ・プリーズ・ミー”。
タイミングもあるかもしれないけれど、今までの積み重ねや、ポールの熱量がジョンに伝わった、そんなシーンなのかな~、と。
ある意味、”ジョンが一歩前に踏み出した”シーンだとも思います。
ピート:「今まで通り、変わらずやるさ…誇り高く、気高くな」
ドラマー役のはずなのに、所々の身のこなしが踊れる人のそれなんよ…(ヘアスプレーぶり上口さん!!)
声が良くてカッコいい、そしてハイカロリーなドラムプレイ…すごいなこの人…
ピートの解雇シーン、初演でもショッキングすぎてずっと覚えてたんですけど、再演を改めて見ていると、たしかに反りが合わない…的なのはあったんだろうな、と。(夜通し演奏しなきゃ…体力持たない…→クスリをビールで流し込めばいいさ!!!ってなっても、ピートだけは断固拒否してたもんね。)
演技や立ち振舞い、セリフの端々からうかがえる「ドラマーというポジションに対する誇り高さ」。
それが結局はビートルズには合わなかったんだろうな、と思うと、見ていて辛いです、ホント。
ドラムを力強く叩きながら、セットごと後ろへ消えてゆくこのシーン。
今回は2階席からだったのであんまり…ですが、1階席でみると”ほんとに暗闇の中に消えてゆく”ように見えて、すっごい切ないのです。よく考えられた演出だな…。
癒やし要員!ジョージとリンゴ、バーのマスター
ふぉ~ゆ~の辰巳くん、実年齢はかなり上のはずだけど”最年少の17歳・ジョージ・ハリスン“がめちゃくちゃ説得力あるの何…()
初演から4年経っても、ちゃんと「17歳のジョージ・ハリスン」でした。
童貞捨てるところみんなに応援された(笑)の怒るシーン大好き、癒やしじゃん…。
舞台終盤、突然現れるリンゴ(俳優さんとしてはずっといましたけど…)。
あのシーンで違和感なく、のほほんとドラムに入れるの、びっくりするよね…笑
ライブハウスのスタッフさん?(なのか??)の工藤さんもキング・アーサーぶりで、「鹿……動きが鹿……」(違うよ!!!)と、見ていてほっこりしました。
やっぱ動ける人ってわかっちゃうんだねぇ!
余談ですが、和樹さんも東山さんも、キング・アーサーぶりですね。KA率高し。
お気に入りのシーンと舞台演出について
灯台・海辺のシーン
一番好きなシーンがこちら。
スチュがアートカレッジ(?)の面接から帰ってこない!となり、ジョンとアストリッドが探しに行ったら、”いつも一人で考え事をする場所”の海辺に一人でいて…
初演の時は1階席で見て、灯台のような照明が行ったり着たりするのがホンモノみたいに見えるのが、とっても印象的なシーンでした。
あと、波のSEだけが響いて、静かなセリフのやり取りが続きます。
今回2階席から見て気がついたのは、床の柄が綺麗でオシャレだったこと!(照明か?もともとの色か?わからないけど、もしかしたらブルーライトに反応するやつ??)
家・ライブハウスなど人工物でのシーンばかりの本作、唯一の”自然界”なのがよくわかる演出です。息を呑むような美しさと空気感。
「光がいったり、きたり…まるで灯台みたいに…」
そう言いながら、灯台の光に当たるスチュ、儚くて美しかったなぁ…。
海辺でラムを飲みながら話すジョンとスチュを、少し遠目に眺めるアストリッド。
ジョンが聞きだなければ話さなそうな話を、ゆっくりと話すスチュと、それを穏やかに聞くジョン。
3人いるはずなのに、まるで”世界に2人だけ”みたいな空気感、2人の特別な繋がりを感じざるを得ないよね…。
そんな会話を経てからの、ジョンがアストリッドに「スチュを頼む」ってなるのだけど、アストリッドに”二人の特別な絆”見せつけてる感じがあって大好きです。笑
この場面の最後、ジョンがスチュとアストリッド2人をギュっとするのがある意味一番幸せなシーンで、この先はわりと地獄…(しろめ)
額縁(フレーム)の存在と意味?
舞台の始まりと終わり、出てくるバカでかいのと、そしてスチュの葬儀(なのか??)に出てくる小さいヤツ、”中身のない額縁(フレーム)”。
これ、所々で”なにかの境界線”のように使われていて、なるほどな~と思いました。(一貫性あるのか?コレ!ってものなのか、わからないので分かる人おしえてほしい)
まず、舞台冒頭。大きなキャンバスに絵を描くスチュ。そして、ビートルズに入ることになってからの~、まるで絵を破るかのように5人でフレームに飛び込んで、舞台奥に走ってゆくシーン。
ストーリーの終わりには、フレーム手前で落ち合うスチュとジョン。そしてフレームをゆっくりと跨いで、舞台の奥に消えてゆく…。
伝説のはじまり、と、終わり、なのかなぁ…とかね。
スチュの葬儀的なシーンでは、そもそも遺影的なあれで使われていたけど、”スチュはそこにいる”という話をすると、フレームが青く光る演出。そもそも、バカでかいヤツと、同じ色・同じデザインのフレームを使っている辺り、何か関係性…意味合いがあるのかな~なんて思うのです。ま、ただの深読み大好きマンなので…実際は関係ないかもだけどネ…。
生バンド演奏盛り上がる~~~!
あとはまぁ~、なんといっても生バンド!生演奏!
カーテンコールでは一曲まるまる演奏もあったりして、この舞台の強み・生演奏の楽しさを存分に味わえたな~と思いました。ホントは「ヒューヒュー!」とかしたかったけどね…まだそういう空気ではなかったので…笑
演出・石丸さんのメッセージが劇場ロビーに展示されてましたけど、「あえて拍手のSEを入れていないので、客席のみなさんが拍手をして、ビートルズを育ててね」というイキな演出。
いつか声出しもできたら、もっとバンド・ライブハウスらしい、リアリティある空間になって楽しそうだな~と思いました、個人的に。ま、やり過ぎは舞台としてどうなの~ってのもあるけどね、笑。
変わらぬキャスティングで、再演をありがとう!
荒っぽくて気まぐれ・強引なヤツと見せつつ、中身は繊細でセンスのある、芯の通った人、ジョン:加藤和樹。
繊細で色気のある・ミステリアスな印象ながら、内なる情熱・強い感情が見え隠れするスチュ:とっつー。
この2人で、そしてビートルズメンバーを変えずに、4年越しで再演してくれたことに心から感謝!です…!!
ちょ~~~単純なことを言うと、本当に”顔が良い✕顔が良い”の組み合わせ、見ていて目に効くよね。
個人的に「和樹、そろそろ未成年役キツイのでは…」と心配していたのだけど(余計なお世話)、ジョンという役柄だからこそ、まだできるね!違和感ないよね!と。
幼さの見える未成年時代と、少し落ち着きつつ感情爆発させるスチュ没年期と、やっぱ流石だな~~~と思いました。
あと言うまでもなく、声と歌がいいので。バンド演奏、歌ってくれてありがとう!!!
こういう推し事やっていると、同じ観劇オタクと「推し同士の共演」が起こることはあれど、「”ジャニーズじゃない推し”と”ジャニーズの推し”との共演」てね、なかなか無いですよ。
(えびちゃんは舞台現場多めだから、確率高めではある気がすけれど。)
そんな中、友人とこうやって同じ感動を分かち合えるのは、やっぱり嬉しいな~と思います。
BACKBEATよ、2人を出会わせてくれてありがとう。
そんなこんなでBACK BEAT、5月いっぱいまで上演中。
機会がある方はぜひ!!!
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