
こんにちは、ダンナです。
今回は、「毎日満員電車に揺られ、理不尽な上司に頭を下げる生活をいつまで続けるんだ…?」と、現状に絶望しているあなたにこそ読んでほしい一冊を紹介します。
その名も、『FIRE 最強の早期リタイア術: 最速でお金から自由になれる究極メソッド』。
この本は、単なる「節約本」でも、運良く億り人になった人の「自慢話」でもありません。
「再現性のある数学」と「鉄壁のリスク管理」で、誰でも経済的自立(FIRE)へ到達できるルートを示した、現代の資本主義攻略本です。
FIREの「魔法の杖」である4%ルールと、著者が最も重視する「暴落対策(現金クッション)」についても深掘りし、今日から実践できるアクションプランとしてまとめました。
配当金生活ってどんな感じ?という方は以下の記事が参考になると思います。


著者の原点は「1日50円の極貧生活」
著者のクリスティー・シェン氏とブライス・リャン氏は、最初から資産家だったわけではありません。特にクリスティー氏は、中国の農村部で非常に貧しい環境で育ちました。
「コーラの空き缶」が宝物だった幼少期
彼女にとって、貧困は「ちょっとお金がない状態」ではなく、「死と隣り合わせの恐怖」でした。家族全員が1日約50円で暮らす極貧生活を経験した彼女だからこそ、そのFIREメソッドは、「二度と貧乏に戻らないための、異常なほど堅実なリスク管理」に基づいています。
「お金は問題を解決しない」と言う人は、お金のない苦労を知らない人だけだ。クリスティー・シェン
この徹底した「防御力」と「数学的なアプローチ」こそが、心配性の私たち日本人にとって最適なメソッドである理由です。
「やりがい搾取」から脱出せよ!POTスコアの魔術
著者は、資産形成期において「好きなことを仕事にしよう」という考えを「最悪のアドバイス」だと切り捨てます。代わりに、独自の指標「POTスコア(Pay Over Tuition)」を使って職業のコスパを算出し、進路を決めました。
情熱は「後からついてくる」
彼女が選んだのは、夢だったライターではなく「コンピューター・エンジニア」の道。その理由は、以下の計算式が示すように、投資対効果(ROI)が圧倒的に高かったからです。
POTスコアの計算式
POTスコア =
(給与の中央値 - 最低賃金) ÷ 学位取得にかかる総費用
これはつまり、「その学費(投資)に対して、どれだけのリターン(給与の上乗せ分)があるか?」という計算です。彼女は高収入を得て、圧倒的なスピードで資産を築きました。
【ダンナのポイント】
この考え方は、副業やスキルアップの分野で最大限に活かせます。「好きだけど稼げない分野」よりも、「需要があって単価が高い分野」で種銭を最速で作り、経済的自立を達成してから「好きなこと」をやる。これが著者の提唱する人生戦略です。
とはいっても収入はそんな直ぐに増えません。労働+αで稼ぐ方法については以下の記事が参考になると思います。


支出の最適化:我慢ではなく「脳のバグ」を直す
FIRE達成者が共通して口にするのが「支出の最適化」です。これは、人生の楽しみを奪うような「我慢」ではなく、「何に幸福を感じ、何に価値がないか」を見極める作業です。
限界効用逓減の法則(ビールの法則)
経済学の「限界効用逓減の法則」とは、「1杯目のビールが一番うまく、2杯目、3杯目と満足度が下がっていく」という話です。
モノ(ブランド品、車、家電)も同じで、買った瞬間が幸福のピークで、すぐに慣れてしまいます。著者は、この法則が働きにくい「経験(旅行、学習、人間関係)」にお金を使うことを推奨しています。
持ち家は「資産」か「負債」か?日本における残酷な真実
不動産会社は「家賃は捨て金、持ち家は資産」と言いますが、日本の状況は異なります。
- 米国: 人口増・インフレにより不動産価値が上昇傾向(資産になり得る)
- 日本: 少子高齢化・建物価値の減価により、購入直後から価格が右肩下がり(負債になりやすい)
修繕費、固定資産税、ローンの利息など、持ち家の維持費は家賃の比ではありません。細かく計算せず「なんとなく安心だから」で多額のローンを組むのは、人生で最も高価な判断ミスになり得ます。身軽でいられる賃貸の方が、多くの日本人にとって合理的な選択である可能性が高いのです。
不動産投資がしたいなら、J-REITという手もあります!


投資:カモにされずに「平均点」をとり続ける技術
支出を最適化して浮いたお金は、銀行に眠らせてはいけません。効率的に「お金に働いてもらう」ための戦略が必要です。
銀行窓口には「合法的な強盗」がいる
「本物の銀行強盗は、銀行の中にいる」という言葉の通り、銀行の窓口で勧められる投資信託は、販売手数料や信託報酬(維持費)が高い商品が大半です。手数料に1%を払うか、0.1%にするかで、FIREの達成時期は数年変わってきます。
必ずネット証券(楽天証券やSBI証券など)を開設し、手数料最安クラスのインデックスファンドを買うことが、FIREへの絶対条件です。
現代ポートフォリオ理論(MPT)でリスクを制御する
著者は、ノーベル賞を受賞した理論に基づき、リスクとリターンのバランスを最適化する資産配分を推奨しています。
【著者が推奨した基本ポートフォリオ】
- 株式(60%):S&P500や全世界株など。成長のエンジン。
- 債券(40%):国債など。暴落時のクッション。
株価が暴落する局面では、債券価格は上がることが多いため、この2つを持つことで資産全体の大怪我を防ぎます。そして、年に1回、増えすぎた方を売り、減った方を買い増す**「リバランス」**を行うことが、リスクを一定に保つための秘訣です。
自分のリスク許容度が分からないという方は以下の記事が参考になると思います。


FIRE達成の「魔法の杖」:4%ルールと防御戦略
いよいよ本題。FIREを目指す人が最も知りたがる「いくら貯めたら辞めていいの?」という疑問に答えるのが、この4%ルールです。
4%ルールとは?安全な取り崩し率の計算式
4%ルールとは、「年間支出の25倍の資産を築き、その資産の4%以内を毎年取り崩して生活すれば、資産が尽きる確率が非常に低い」という経験則に基づいたルールです。
これは、過去の株式市場のデータに基づき、インフレ調整後でも資産が30年間以上持続する確率が95%以上であるという研究(トリニティスタディ)から導き出されています。
あなたのFIRE目標額
目標額 = 年間支出額 × 25
例:年間支出300万円の場合 → 300万円 × 25 = 7,500万円が目標額
この目標額を達成したら、資産の取り崩しを開始できます。
資産の「寿命」を延ばす最強の盾:現金クッション戦略
4%ルールは強力ですが、唯一の弱点があります。それが「初期の収益率の系列リスク(SORR: Sequence of Returns Risk)」です。
FIRE直後、資産を取り崩し始めた直後に株価が大暴落すると、その後の資産の回復が間に合わず、たとえ4%ルールを使っていても資産が尽きてしまうリスクが高まります。
これに対抗するために、著者が推奨するのが「現金クッション(またはYield Shield)」戦略です。
- 暴落時に売らないための現金を用意する
- 生活費の1年分(またはそれ以上)を、株などのリスク資産とは別に、現金や超短期債券で確保しておく。
市場が暴落した年(例:株価が30%下落した年)は、リスク資産を売却せず、この現金クッションから生活費を捻出します。そして市場が回復した時に、クッションを補充します。
この戦略により、「資産が底値の時に売却せざるを得ない」という最悪の事態を防ぎ、FIREの安全性を鉄壁にすることができます。
まとめ:FIREは「特別な人」のものじゃない
『FIRE 最強の早期リタイア術』のメソッドは、以下の4つの要素に集約されます。
- POTスコアで稼げる仕事(場所)を選び、最速で種銭を貯める。
- 見栄のための支出を削り、貯蓄率を最大化する。
- ネット証券でインデックス投資と債券の分散投資を行う。
- 4%ルールで目標額を計算し、現金クッションで暴落に備える。
著者は「年収が高かったから」FIREできたのではなく、「貯蓄率」を高め、この「数学的ルール」に従い、徹底した「防御戦略」を取ったから、極貧から脱出し、自由を手にしました。
【Next Action】今日あなたができること
まずは、以下の2点を計算してみてください。
- 現在の貯蓄率(年間貯蓄額 ÷ 年間手取り収入)
- あなたのFIRE目標額(現在の年間支出 × 25)
目標が明確になれば、道筋も見えてきます。小さな一歩が、将来の「自由な数十年」に繋がっています。一緒に経済的自由を目指して頑張りましょう!
それでは、ダンナでした。
▼今回紹介したFIREのバイブルはこちら


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