
こんにちは、ダンナです。
最近、モダンのメタゲームで何かと話題の「イゼット果敢」。しかし、そのリストを眺めていて僕は思いました。「なぜゾンビが使われていないのか?」と。果敢(またはそれに類する能力)を持つゾンビは、実は優秀な個体が揃っているのです。
今回は「ゾンビデッキでも果敢で戦えるんだぞ!」という熱い思いを形にした、ゾンビ×イゼットカラーのモダンデッキをご紹介します。ファンデッキと侮るなかれ、独自の勝ち筋とストーリーを詰め込んでいます。
この色の組み合わせ、昔ボロ負けしたトラウマがあって苦手なんだけど……今回は自分から使ってみるよ!
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はじめに:ゾンビデッキ構築の「3つの鉄則」
僕がデッキを組む上では、勝利よりも大切にしている「宗教」に近いこだわりがあります。まずはその前提条件をお話しします。
クリーチャーは「ゾンビ」のみ採用
テキスト内にどれほど強力なシナジーがあろうとも、採用するクリーチャーはゾンビのみです。ギサやゲラルフなどの例外を除き、純粋なゾンビデッキであることにこだわっています。
この縛りこそが、ゾンビの可能性を最大限に引き出すと信じているからです。
1枚500円以下の「格安・安価」カードが中心
趣味と家庭を両立させるため、そして誰もが気軽に真似して遊べるように、高額カード(500円以上)は原則使いません。「《魂の洞窟》がない!」といったご意見もあるかと思いますが、限られた予算内で知恵を絞るのがダンナ流の楽しみ方です。
デッキに「ストーリー」を込める
ただ強いカードを並べるのではなく、1つの物語(テーマ)に沿って構築します。自分だけの個性を出しつつ、明確な勝ち筋を持たせることがデッキビルドの醍醐味です。
詳しいことは以下でも述べています!


デッキレシピとコンセプト:イゼットゾンビ「暴力的な思考実験」


デッキレシピ「暴力的な思考実験」
イゼット果敢ゾンビデッキのコンセプト
今回のテーマは「赤の暴力性」と「青の知性」の衝突。実験風景をイメージし、採用カードも「暴力的」か「知性的」なものに絞り込みました。
イゼットカラーはまるで「斉木楠雄のΨ難」の斉木と燃堂のような関係性だと思っています(個人の感想です)。赤が青!好き好き!と一方的に行為をよせても、青はそれをウザがるだけ。
しかし、ときどきではありますが青側から赤に心を開き「ふ、まぁ、こんなやつでもいい奴なんだよな」とデレる瞬間もあります。
このデッキでも赤は好きなように青を振り回しますが、青は自分の道を突き進みながらも寄り添い共に戦っている様子をお楽しみください。
採用したゾンビの解説
《不気味な修練者/Grim Initiate》


1マナ1/1、先制攻撃を持つ赤のゾンビ・戦士です。
死亡時に「ゾンビ動員1」を行い、既存の軍団(Army)に+1/+1カウンターを置くか、軍団を持っていなければ黒の0/0ゾンビ軍団トークンを生成する。
低コスト+動員である利点を生かし、今回は壁役として序盤・中盤を支えてもらいます。
《呪文織りの永遠衆/Spellweaver Eternal》


2マナ2/1の青ゾンビです。
果敢と加虐2を併せ持ち、ブロックするだけでライフを削る「通すか止めるか」で相手を悩ませるアタッカーであり、本デッキの基盤。序盤から安定してクロックを刻みやすい、プレッシャー重視のウィニークリーチャーです。
《祖先の怒り/Ancestral Anger》との相性が良く、加虐に加えてトランプルの脅威を持たせることで相手の脳の糖分を奪い去りましょう。
勝負においてプレイヤーキルも必要なこと…。
《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》


2マナ1/3のトランプル持ちゾンビ・ウィザードです。
攻撃するだけで、自身のパワー以下のマナ総量を持つインスタント/ソーサリーを墓地から無料で再利用できる。なんて偉い子!
今回は得に軽量呪文を軸に据えているため、クロックとカード・アドバンテージを同時に稼ぐエンジン役になります。
《巧妙なスカーブ/Ingenious Skaab》


3マナ2/3の青ゾンビです。果敢と自己強化能力を併せ持ち、戦闘中にサイズを自在に調整できるのが強み。
果敢持ちのゾンビが《呪文織りの永遠衆/Spellweaver Eternal》と《巧妙なスカーブ/Ingenious Skaab》しか今のところいないため、消去法での採用…。
しかし、余った1マナでサイズアップをすることが可能であるため相手の計算を狂わせることが出来るのは優秀です。
もっと来い!果敢ゾンビ!
《永遠神ケフネト/God-Eternal Kefnet》


4マナ4/5飛行の伝説ゾンビ・神です。カワイイ!!
各ターン最初に引いたカードを公開でき、公開したカードがインスタント/ソーサリーならそのカードのコピーを作り、そのコピーを(2)少なくして唱えてもよいため、唱えなくてもOK。
死亡/追放時にライブラリー上から3枚目に戻る誘発も持つため、場にいるだけで継続的な強力性と再利用性を提供するフィニッシャー兼パワーカードです。
軽量の呪文しか入れていないためマナコスト軽減の恩恵には預かれませんが、追加で唱えられるのは嬉しいところ。
《暴力的な不協和音、クラム/Kraum, Violent Cacophony》


4マナ2/3飛行の伝説ゾンビ・ホラーです。
各ターンに自分が2つ目の呪文を唱えるたび、+1/+1カウンターと1ドローを同時に獲得する優れもの。サイズと手札を雪だるま式に伸ばす自己完結型フィニッシャーです。
果敢と異なりカウンターとして残るため、《選択/Opt》や《思考掃き/Thought Scour》、《定業/Preordain》との相性が良いです。《永遠神ケフネト/God-Eternal Kefnet》が場に居るとより美味しい。
勝ち筋とプレイング:実験の成功を目指して
序盤(1〜2ターン目):場の形成と思考の整理
1ターン目は《定業》や《思考掃き》で手札を整えるか、《不気味な修練者》で壁を作ります。この修練者、先制攻撃持ちで死亡時に「動員」を行うため、非常に小回りが利く優秀なゾンビです。
2ターン目は準備の継続。《呪文織りの永遠衆》で果敢と「加虐」によるプレッシャーをかけるか、《戦慄衆の秘儀術師》を戦場へ。秘儀術師が生き残れば、次ターンからの爆発力が約束されます。
中盤(3ターン目〜):怒涛の果敢ラッシュ
ここからは手札を惜しまず攻めます。《立腹》や《稲妻》を連打し、果敢持ちゾンビのサイズを底上げして一気にライフを削ります。《巧妙なスカーブ》は、青マナで自身のサイズを調整できる「賢い」ゾンビ。状況に応じた柔軟な攻撃が可能です。


終盤(4ターン目以降):実験の完成
4ターン目には《暴力的な不協和音、クラム》が登場。《戦慄衆の秘儀術師》で墓地から呪文を再利用すれば、マナがなくても「1ターンに2つ以上の呪文」を達成でき、クラムのサイズアップとドローが誘発します。さらに《永遠神ケフネト》がトップ解決を助けてくれるでしょう。
オシャレ枠:潮からの蘇生(塩辛)
墓地に呪文が溜まった後半、《潮からの蘇生》が決まれば圧巻。大量のゾンビ・トークンが戦場を埋め尽くす光景は、まさに実験成功の瞬間です!(《戦慄衆の秘儀術師》で墓地を追放しすぎないよう注意が必要です笑)
蛇足なのは分かっているんです…。分かっているんだっ!!
まとめ:自分だけのゾンビデッキでモダンを楽しもう
「イゼット果敢」というメジャーなアーキタイプを、あえて「ゾンビ限定」という縛りで再構築した今回のデッキ。効率を追い求めるプロの対局も素晴らしいですが、友人とお酒を飲みながら「このカード、実はストーリー的にね……」と語り合う感想戦こそ、MTGの醍醐味だと僕は思います。
皆さんも、ぜひ独自の哲学を持ってデッキを組んでみてください。世界が少しだけ楽しくなるはずです。
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